監督から信頼の言葉 1年かかっても田中再起目指す

[ 2010年9月9日 06:00 ]

4月29日のロッテ戦で初先発を果たした田中

 貴重な経験と、挫折を一度に味わう1年となった。5年目右腕の田中靖洋投手(23)が、8月31日に横浜市内の病院で右ひじ靱帯再建手術を受けた。実戦復帰までは早くても1年を要する、大掛かりな手術だった。

 勝負の5年目だった。4月15日の楽天戦(西武ドーム)でプロ初登板を果たした。4番手でマウンドに上がり1回2安打1失点。同29日のロッテ戦(西武ドーム)では初先発のチャンスも巡ってきた。結果は3回を投げ6安打4失点で敗戦投手となったが、渡辺監督は「いい球を投げる。真っすぐに力が出てきた」と評価していた。
 順風なスタートを切ったが、6月12日の中継ぎ登板を最後に出場選手登録を抹消された。右ひじの痛みが原因だった。その後はファームで調整してきたが、患部の症状は悪化した。「これまでも右ひじは痛めたことがありましたけど、張っているくらいだったので投げられていました。今回は力が入らなくなって、投げられなかったんです」。8月に入り、手術することを決断した。
 その決断から数日後、渡辺監督に報告した。意外な言葉が返ってきた。「そんなに悪かったのか。来年の後半戦に戻れるように頑張れ。待っているぞ」。田中は「監督にそういう言葉をもらって、早く戻りたいという気持ちが強くなりました。今年は1軍の舞台を知ってしまったので、またあそこで投げたいですから」。強い決意を胸に手術に臨んだ。
 今後は先の見えない過酷なリハビリ生活に入る。それでも田中は前を向く。「医者からは元通りに戻ると言われています。でも焦らずに、良ければ来年の後半戦に投げられればいいという感じでやっていきたいです」。大歓声を浴びる快感が自らの支えだ。再び西武ドームのマウンドに戻るまで、田中が音を上げることはない。

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