栄光と挫折の20年…矢野引退会見「最高の野球人生」

[ 2010年9月4日 06:00 ]

目に涙をためて引退会見する阪神の矢野

 阪神の矢野燿大(あきひろ)捕手(41)が3日、今季限りでの引退を表明した。大阪市内で会見に臨み「想像していた以上に素晴らしい、最高の野球人生だった。夢のような時間を送らせてもらった」と振り返った。

 「去年働けなくて、今年も働けなくて悩んだ。心技体が全部あって初めてできる仕事。すべての面で1軍の戦力になることは、できなくなってきた」。目頭を何度もぬぐいながら、引退を決意した理由を明かした。08年オフに右ひじ手術。昨年は30、今季はここまで8試合の出場にとどまった。満足にチームの勝利に貢献できない。何よりそれが悔しかった。
 栄光も挫折もあった20年。「まさかこの年まで野球ができるとは。でも僕の人生の分岐点には悔しさがあった」。97年オフに中日から阪神にトレード。「中日に捨てられた」と悔し涙を流した。その反骨心を胸に03、05年のリーグ優勝に大きく貢献。近年は相次ぐ故障、城島の加入など逆風もあった。「勝利の瞬間に球児と喜び合う、そういう自分でいたいと思っていた」と正直な思いも口にしたが、チーム第一の考えを最後まで貫いた。
 「カネ(金本)、シモ(下柳)の存在は大きい。先に辞めるのはちょっと悔しい」。同じ68年生まれ。2人には8月29日に伝えた。下柳からは「最後にもう1度、バッテリーを組もう」とメールをもらった。
 会見前、矢野は2軍施設で育成選手の投球を受けた。今後については「野球しかできひん。やってきたことを伝えるための勉強になる」としながら「(優勝を目指すチームに)戻れるように頑張る」と結んだ。大観衆の前での最後の一仕事が、矢野には待っている。

 ▼阪神・星野SD(矢野の中日入団時の監督)ありふれていても、本当によく頑張ったと、この言葉が一番ぴったりじゃないかな。03年も05年の優勝も矢野なくして成し得なかった。これからまだまだ勉強。誰にも負けない知識と経験を武器に立派な指導者になってほしい。
 ▼オリックス・岡田監督(元阪神監督)投手が信頼し切っていて、首を振るとかほとんどなかった。任せておけばいい、それくらいの捕手だった。そりゃもうお疲れさんよ。大学出てから20年は凄いで。
 ▼中日・山本昌 矢野がルーキーで入団した時はキャンプで相部屋だったし、僕の100勝目もマスクをかぶってくれていた。性格が良くて素晴らしい人間。お疲れさまと言いたい。

続きを表示

「第91回(2019年)選抜高等学校野球大会」特集記事

「稲村亜美」特集記事

2010年9月4日のニュース