沢村“秋の主役”だ!脇腹痛も「気」は充実

[ 2010年9月4日 06:00 ]

リーグ戦前日、最後のミーティングで高橋監督の話に聞き入る沢村(前列左)

 東都大学野球は4日、神宮球場で開幕する。今秋のドラフト上位候補がそろう中、最大の注目は、中大の157キロ右腕・沢村拓一投手(4年)だ。今夏に左脇腹を痛めた影響で、開幕カードの青学大戦はブルペン待機となりそうだが、リーグ戦の主役であることは間違いない。また連覇を狙う東洋大は、開幕戦で国士舘大と対戦する。

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 開幕を翌日に控えたこの日、沢村はキャッチボールやランニングなど軽めのメニューで終えた。1日にブルペンで約20球を投げたが、ここ2日間はノースロー。体調は決して万全ではない。だが「気」は充実している。

 世界大学選手権前の強化試合(7月25日)で左脇腹の腹斜筋を痛めた。早大・斎藤と並ぶ主戦として期待されていた責任感から強行出場も頭をよぎったが、榎本監督らに「無理はするな。おまえには将来がある」と諭されて代表を辞退した。寝返りを打つのもつらいほどの重症。8月のチームの北海道合宿にも参加せず、八王子市内の練習場で必死にリハビリに励んだ。

 体重を落とさないために、馬刺しや焼き肉を積極的に食し、例年夏場に2キロほど落ちる体重もベストの90キロを維持した。残留組の選手のティー打撃を手伝い、グラウンド整備も率先して行った。「みんな心配してくれている。いろいろなサポートを受けていたことも、あらためて実感した」としみじみ振り返る。

 本格的な投球練習を再開したのは8月下旬。31日の中大125周年記念試合(神宮)で早大相手に2回を投げ、154キロを4球マークしたが、体調面を配慮し、開幕戦はブルペン待機となりそうだ。「監督にも無理するなと言われました。でもマウンドには立ちたい。みんなのために」。故障して、マウンドが1人のものではないことを知った。その分、剛腕は春より手ごわくなって神宮に戻ってくる。

 ◆沢村 拓一(さわむら・ひろかず)1988年(昭63)4月3日、栃木県生まれの22歳。東陽中では軟式野球部に所属し投手。佐野日大では3年夏の栃木大会準優勝。中大では1年春からベンチ入りし、08年秋に1部昇格。今春リーグ戦で神宮学生最速の157キロをマークした。リーグ通算33試合で15勝12敗、防御率1・45。1メートル84、90キロ。右投げ右打ち。

 <東洋大 4冠へ藤岡さらに自信アップ!>今春リーグ戦を制して、大学選手権でも王者に輝いたチームは勢いを増している。今春MVPを獲得した3年生の149キロ左腕・藤岡は、世界大学選手権でキューバ、韓国と、世界の強豪と対戦したことで「内角を突けば、勝負できることを学んだ」と自信を手にした。今秋ドラフト候補の乾、主将の鹿沼ら豊富な投手陣で優勝候補の筆頭。高橋監督は「開幕は藤岡です。でも他の投手も調子はいい。グランドスラム(明治神宮大会を含めた4冠)を意識して戦います」と力強かった。

 <亜大 2戦目の投手充実で8季ぶりV狙う>2季連続で2位に終わっているチームのカギを握るのが2戦目の投手だ。絶対的支柱で、2年生ながらすでにリーグ戦13勝(5敗)を挙げている東浜は安定感抜群。春に負傷した腰も完治して、秋のリーグ戦もフル回転が期待されている。それだけに4年生の中村駿、北原の両右腕らがエースに続けば、8季ぶりの優勝も見えてくる。まずは開幕カードの第2週、国士舘大戦をものにして勢いに乗りたい。

 <国学院大 新監督で「目標は優勝」>96年から指揮を執ってきた竹田監督が勇退。35歳の鳥山新監督を迎えてシーズンに臨む。同監督は06年まで9年間、竹田監督の下でコーチを務め、その後、東京・修徳の監督に就任。今夏の東東京大会では決勝に進出している。右ひじ痛で今春は登板がなかったドラフト候補の埜口(のぐち)が復調。高木と鷲尾の左右両腕と枚数はそろった。「目標は優勝です。でも一戦一戦ですね」と話す指揮官に気負いはない。

 <国士舘大 「酷暑で成果が…」総力戦必至>今春は30季ぶりの1部で5位。残留はしたが課題は山積みだ。チーム打率・199の得点力不足解消へ夏の岩手合宿では、走者三塁からの得点を意識した打撃練習を繰り返したが「酷暑でなかなか成果が上がらなかった」と永田監督は渋い顔だ。投手陣は抑えの樋口が右足首捻挫で出遅れ気味。開幕カードには間に合いそうもなく「序盤は総力戦で乗り切りたい」と指揮官も覚悟を決めていた。

 <青学大 1部復帰で台風の目になれるか?>今春は84年春以来の2部を経験したが、1シーズンで1部復帰。その原動力となったのが、大阪桐蔭で08年夏に甲子園優勝投手となった福島だ。春は2部で6勝と大活躍した。だが、垣ケ原、石井ら2番手以降の調子がいまひとつで、河原井監督も「エースには期待できるが、そのほかがちょっと…」と不安を隠さない。打線はドラフト候補の小池をはじめ神宮経験者がそろうだけに、投手陣の踏ん張り次第では台風の目になる可能性もある。

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