日本通運・牧田 進化のサブマリン完封発進!

[ 2010年8月31日 06:00 ]

<日本新薬・日本通運>わずか4安打で完封勝利を飾った日本通運・牧田

 第81回都市対抗野球大会は30日、1回戦3試合が行われた。第1試合では10年連続出場の日本通運(さいたま市)は、今秋ドラフト候補のサブマリンエース牧田和久投手(25)が4安打完封と好投。日本新薬(京都市)に6―0で快勝して大会4年ぶりの白星を手にした。また、ヤマハ(浜松市)は3本塁打で初出場の日本製紙石巻に4―2で逆転勝ち。JR九州も2回戦に進出した。31日は1回戦3試合が行われる。

【試合結果


 わずか4安打に抑えた。103球の無四球完封で初戦突破。だが、まだ喜ぶ段階でないことを知っている牧田は、笑顔ひとつ浮かべなかった。
 「これが自分のスタイルなので。まだ次もある。次からは連戦になるので球数を少なくしていきたいですね」。2回までに4奪三振も、打たせて取る本来の投球は見失わない。下手投げ独特の、グッと浮き上がるような直球で凡打の山を築いた。「打たせて取ろうと思ってたので三振の数は気にしませんでした。一塁に走者がいれば内野ゴロでアウト2つ取れますから」。4回1死一塁から127キロの内角直球で詰まらせて、箸尾谷(はしおだに)を二ゴロ併殺打に仕留めた投球こそが真骨頂だった。
 入社2年目の08年日本選手権で右ひざ前十字じん帯を断裂。全治8カ月の重傷で昨年大会はスタンドから声援を送った。1シーズンを棒に振ったが、リハビリ期間中に自分の投球を見つめ直した。下手投げの特性を生かすため、内外角の左右だけでなく前後を使う投球にたどり着いた。前後とは投球の際、球持ちの長さでタイミングをずらすこと。球離れのタイミングをずらしてバットの芯を外す。この日も130キロ台前半がやっとの直球でも再三、打者を詰まらせ、そして泳がせた。
 37度目出場の古豪は10年連続出場だが、3年連続で初戦敗退していた。神長監督は「(10年の)節目の今年は負けるわけにはいかないと思っていた」とホッとした様子。今大会は昨年優勝のホンダを抑え、南関東地区の第1代表という自負もある。「まずは一段一段、階段を上っていきたい」と指揮官は慎重だが、今年のチームには牧田がいる。64年以来46年ぶりの優勝は視界にとらえている。

 ▼オリックス・中川スカウト 球持ちがいいから130キロの直球でも詰まらせることができる。なかなかいないタイプだし、面白い投手。勝ち進んだときの投球とかを見てみたい。
 ◆牧田 和久(まきた・かずひさ)1984年(昭59)11月10日、静岡県生まれの25歳。静清工(現静清)1年秋に下手投げに転向。平成国際大時代に大学日本代表入りして日米大学野球に出場。入社4年目。今春スポニチ大会は明治安田生命戦で7回参考記録ながらノーヒットノーランを達成した。1メートル78、78キロ。右投げ右打ち。

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2010年8月31日のニュース