「飛ばない」ボール 実験飛距離は1メートル減

[ 2010年8月24日 06:00 ]

来季からプロ野球で統一して使用されるミズノ社製の低反発球とその断面。左は今季まで使用されている同社製の公式球

 日本野球機構(NPB)は23日、来季から1軍公式戦で統一使用されるミズノ社製の低反発球を公表した。従来より「飛ばない」ボールで、契約は来年から2年間。秋季キャンプから12球団へ配給して来季に備える。

 統一球は、コルク芯を覆うゴム材の配合を変えて反発係数の規格値下限の0・4134(従来のボールは0・417)に近づけて製造。同社によると、球速144キロの球をスイングスピード126キロ、飛び出し角度27度で打った場合、従来の飛距離(110・4メートル)より約1メートル抑えられる。また、縫い目の幅や高さ、牛革の使用部位の範囲を広げ、従来のしっとり感を残したままで握った感触がMLBの使用球に近づけられた。価格は1個1100円から850円に抑えられるという。
 使用球統一は加藤良三コミッショナーが1月に提案。6月の実行委員会で統一を決めていた。セリグ・コミッショナーのサインが入るMLBの使用球と同様、統一球に自身の名前のサインが入れられた加藤コミッショナーは「WBCなどボールの違いに選手が戸惑ってきたが、違和感はなくなる。このボールが国際試合で広く使われることを願います」と話した。

 <ミズノは「光栄」>ミズノ社の久保田憲史スポーツ事業部マーケティング部長は、同社が初めて販売した野球用品がボールだけに「大正2年(1913年)から97年間、ボール作りを行ってきて光栄です」と話した。手作業になるボールの縫い手が国内では減少。生産量を確保するために生産拠点を日本(三重県)から中国(上海郊外とアモイ)へ移転するが、久保田部長は「中国製でも感触などは変わりません」と説明した。

 ▼横浜・清水 日本球界にとって一歩前進。世界で統一されるのが理想だけど、全球団がそろった意義は大きい。
 ▼ソフトバンク・和田 この球場はどこ(のメーカー)とか(気にすることが)なくなって良いのでは。
 ▼巨人・内海 国際球と今の球の中間みたいな感じ。縫い目の山が大きい印象だったけれど、革が滑る印象はなかった。
 ▼ロッテ・井口 芯でとらえて引っ張れば影響はないが、逆方向へ打った時に最後のひと伸びがない。かなり本塁打は減るのではないか。
 ▼楽天・鉄平 飛距離は出ないし、非力な打者にはつらいのでは。

続きを表示

2010年8月24日のニュース