山本 母に感謝の6回8点口火打!

[ 2010年8月9日 06:00 ]

<遊学館・一関学院>6回裏無死、遊学館・山本は中前打を放つ

 【夏の1ページ 遊学館11-0一関学院】夢がかなった。この舞台に立てた。大阪の自宅を出てまで追い求めた甲子園。「お母さん、ありがとう」。遊学館・山本は三塁側アルプス席へ心の中でつぶやいた。

 1年半前、母・真由美さん(47)から言われた言葉は忘れない。「最後まで夢を追い続けるなら応援してあげる」。田辺中時代に大きな実績のなかった山本は、地元の強豪校への進学を断念。でも、甲子園はあきらめられない。府外へ行くか迷っているとき、母に背中を押された。「苦労をかけるとは分かっていたけど挑戦したかった」
 両親は山本が幼稚園のときに離婚。生花店を営む母に、弟・大貴くん(中学2年)と女手一つで育てられてきた。その教えは「逃げんと、何でもやってみなさい」。だから必死に練習。2年生ながら背番号4をつかみ、6回に先頭打者で中前打を放ち、敵失で三塁へ好走塁も見せた。際どいタイミングの走塁に「逃げずに狙ってみた。お母さんの教えが体にしみついてるのかな」。それが大量点の口火を切った。
 アルプス席の真由美さんは言う。「小さいころから積み立ててるから3年間くらい(お金は)大丈夫。彼が夢をかなえたのが一番の幸せ」。その夢はまだ続いていく。

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2010年8月9日のニュース