早実エース　130キロ半ばでも毎回１１Ｋ「結果が後からついてきた」

倉敷商―早実　力投する早実先発の鈴木

　【早稲田実２―０倉敷商】持ち前の気迫だけでなく、打者を観察する冷静さが加わった。早実のエース鈴木が散発の３安打完封。毎回の１１三振を奪ったエースは「打者の打ち気をそらして投げられた」と胸を張った。

　直球の球速は１３０キロ台の半ばしかない。スライダーやカーブを組み合わせて丁寧にコースに投げ分けた。打者のタイミングを外して、５回以降は安打を許さなかった。７回２死からは圧巻の５者連続三振を奪取。先制打も放った右腕は「一人一人に全力で投げただけで、結果が後からついてきた」とはにかんだ。
　昨春の選抜大会は救援での登板だった。主戦投手だった小野田が野手に転向したことで、エースとしての自覚が芽生えた。周囲はどうしても４年前に早実が全国制覇を成し遂げたときの右腕、斎藤佑樹投手（現早大）と比較しがちだ。「練習では斎藤さんを目指しているが、まだまだ。自分は自分として、早実のエースとしてのプライドを持つようになった」
　和泉監督は「バッテリーは成長している。次も楽しみ」と目を細めた。２回戦では２連覇を狙う中京大中京と対戦。右腕は「挑戦者として戦いたい。通用するか楽しみ」と意気盛んだった。