日本意地の銅!藤岡が5回10K韓国斬り

[ 2010年8月8日 06:00 ]

銅メダルを胸に記念撮影を行う(左から)日本代表・大石、応武コーチ、斎藤

 第5回世界大学野球選手権の決勝と3位決定戦が7日、神宮球場で行われた。日本は3位決定戦で韓国と対戦。藤岡貴裕投手(東洋大3年)が5回1安打、10奪三振の好投もあって韓国に9―0で圧勝。自国開催で悲願の初優勝はならなかったが、銅メダルは死守した。決勝は延長の末、キューバが米国に劇的なサヨナラ勝ち。第1回大会以来4大会ぶり2度目の優勝を飾った。なお、MVPにはキューバのアルフレド・デスパイネ外野手が選ばれた。

【試合結果


 神宮の夜風に吹かれながら、日の丸がゆらゆらとはためいていた。それを見つめる選手たち。目標だった優勝には届かなかったが「神宮に日の丸を掲げる」という最低限の目標は果たした。閉会式でのナインの表情は晴れやかだった。
 韓国との3位決定戦。先発を任された藤岡が快投を演じた。「直球が走っていたので押していきました」。3回は3者連続三振を奪うなど、5回を1安打10奪三振。二塁さえ踏ませぬ投球で本大会での韓国戦の連勝を7に伸ばすとともに、銅メダル獲得に貢献した。予選リーグのキューバ戦では2本塁打を浴びるなど4失点と力の差を見せつけられて「日本ではそれなりに通じてもキューバには直球が通じなかった」。まだ3年生。今大会で得た教訓を胸に、さらなるレベルアップを誓った。
 試合後に選手から胴上げされて笑顔を見せた榎本監督も、今後の強化策を問われると厳しい表情に戻った。「今の学校は授業優先だが、もっと強化策を取らない限りまだまだ力の差はある。その辺は協会に文書で出したいと思います」。斎藤や大石(ともに早大4年)といった黄金世代をもってしても、世界の壁は厚かった。
 次回大会は2年後に台湾で行われる。伊志嶺主将は「次の代表に世界一を獲ってほしい」と次代を担う後輩に日本の夢を託した。

 ≪伊藤が雪辱へ向け一発!≫4番の伊藤(慶大3年)が初回2死一塁から今大会3号となる右中間先制2ラン。韓国戦は予選リーグで対戦した際も本塁打を打っており「スライダーです。予選で直球を本塁打しているので、簡単には直球で取りに来ないだろうと思ってました」と冷静に話した。来年の日米大学野球でも主力としての働きが期待されるが「この経験を生かしたい」と早くも自覚十分だった。

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2010年8月8日のニュース