ひちょりが猛打“首位いびり”の原動力

[ 2010年8月4日 06:00 ]

<日・ソ>試合後、糸井と喜びを分かち合う森本

 【日本ハム13―4ソフトバンク】お立ち台からの“ひちょり節”に、稲葉、田中、鶴岡が腰掛けていたベンチでズッコケた。「イヤ、イヤ、イヤ」――。誰もが手を左右に振った。それほど森本の言葉は力強かった。

 「あしたは和田君が先発するということなので、98年夏の甲子園を思い出して、バックスクリーンに放り込みたい」。帝京時代に浜田(島根)のエースだった和田に一発を見舞った森本。もっとも、この3年間で森本は通算3本塁打。今季リーグトップタイの13勝を挙げているソフトバンクの左腕から12年前の再現ができるかどうかは別として、先発全員得点の17安打13得点と猛爆した打線の中で、今季2度目の1試合4安打をマークした森本が旗振り役だったことは確かだった。
 ただ打つだけじゃない。打撃内容が濃い。2回72球で降板したホールトンだが、森本は1人で20球を投げさせた。初回は3球で追い込まれながら、粘って8球目を右前打。先制点の足場をつくった。2回1死一、二塁ではファウル6球と粘って12球目を中前へはじき返した。「追い込まれて打者にできるのは粘ることだけ。これが5、6回になるとボディーブローのように効く。きょうは結果的に安打となったのでダメージがより大きかった」。一発とは程遠いが、これこそが2番打者としてのお手本といえた。
 これでソフトバンク戦は今季8勝5敗。「首位いじめ」を続けて、再び混パを演出する。
 ▼帝京VS浜田VTR 浜田は4回2死一、二塁とし、帝京先発・清水の二塁けん制悪送球で2点を先制。帝京は2点を追う8回1死二塁から「3番・遊撃」で先発した森本(現日本ハム)が、浜田先発の和田(現ソフトバンク)から中越え同点2ラン。浜田はその裏、1死満塁から押し出し死球で決勝点を挙げ3―2で接戦を制した。和田は「帝京打線はビデオで研究した通り。攻める気持ちを忘れなかったのが良かった」。浜田は次戦、準々決勝の豊田大谷(東愛知)戦で3―4で延長10回サヨナラ負けした。

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2010年8月4日のニュース