史上2人目の初登板初先発!マエケン、6人完全

[ 2010年7月24日 06:00 ]

2回2死、金泰均の一直を好捕した小笠原(左)を笑顔で迎える前田健

 【球宴第1戦・全セ4-1全パ】両リーグ最多得票に恥じない投球を見せつけた。球宴史上2人目となる初登板初先発は、2回パーフェクト。ベストピッチャー賞に選ばれた広島・前田健は自らの持てるものをすべて出し尽くした。

 「緊張もなかったし、楽しんで投げられました。短いイニングなので全力で投げました」。
 先頭の川崎をチェンジアップで空振り三振に取ると、中島に対しては自己最速タイとなる150キロを連発する。17球中15球が直球勝負。中5日で回り続けた蓄積疲労のため、実戦登板は13日の横浜戦(横浜)以来となったが、周囲の心配を吹き飛ばし「これで大丈夫でしょう」と胸を張った。
 4年目の今季は一気にスターダムを駆け上がった。初めての開幕投手を務めると、ここまでいずれもリーグトップの11勝、防御率1・81、116奪三振を記録。パの強打者が一番対戦したい打者が「マエケン」だった。
 初の晴れ舞台には、故郷の大阪・忠岡町から家族を招待した。「野球に関しては何も言いません。常に“ちゃんと食べている?”ばかりですね」と、母・幸代さん(45)。偉大なエースを育てた「肝っ玉オカン」は、生魚が苦手だった健太少年のために煮魚、焼き魚を必ず食卓に置いた。今季から広島市内で一人暮らしを始めた息子の自宅を訪れては、野菜など栄養のある食品を置いて帰った。試合直前に「頑張って、楽しんでね」とメールを入れると、すぐさま「頑張る」と返ってきた。
 大役を果たした前田健は「毎年、出たくなるようなところでした。来年からも毎年、出られるように頑張りたい」と笑顔で振り返った。広島のエースから球界のエースへ。22歳の右腕には輝かしい未来が広がっている。

 ≪初登板初先発で初勝利は14人目≫初登板の前田健(広)が先発で勝利投手。球宴初登板初先発で初勝利は、07年第2戦の高橋尚(巨=現メッツ)以来14人目。チームでは66年第3戦の大羽、78年第1戦の松原明に次ぎ32年ぶり3人目となった。この日は2回をパーフェクトに抑える快投。走者を1人も許さずに球宴初登板初先発初勝利を挙げたのは、前記の松原明に次ぎ史上2人目となった。

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2010年7月24日のニュース