ダル“常識外”の新魔球は「ジャイロカッター」

[ 2010年7月24日 06:00 ]

3回から登板したダルビッシュ

 【球宴第1戦・全パ1-4全セ】夢舞台で新球を試すあたりが日本ハム・ダルビッシュらしい。セを代表する超一流打者に、21日の練習でひらめいたばかりの新球を初披露した。全33球中13球。それはカットボールの軌道で浮き上がる「ジャイロカッター」だ。

 大粒の汗を流しながらベンチ裏に現れた右腕はタネ明かし。「試合で初めて使いました。カットボールの一種ですね。ただこれまでと軌道が違う」。天才的な感覚を誇る指先がメジャーでもめったにお目にかかれないジャイロボールと同じ回転を生み出した。直球の握りをわずかにズラし、リリースポイントで押し出して横回転をつけるのだ。
 4回に対戦した阿部は「アンダースローのように浮くボール。ファウルでしのぐのが精いっぱいだった」と脱帽した。ダルビッシュは坂本との対決で手応えをつかんだ。2ボールから3球連続で新球を投じ、2球連続空振りの後に左飛。「右打者はチェンジアップのような反応をしていた。普通はバットがボールの上を振るが、下を振っていた」。当初は左打者の胸元をえぐるのに有効と踏んでいたが右打者にも効果絶大。あとの課題は制球の精度を磨くだけだ。
 08年は鼻血、09年はラミレスの打球が右肩直撃。「毎年いいコンディションで臨めていなかった。また駄目でしたね」と2回2安打1失点に苦笑したが、注目度は文句なしで一番だった。「まあ、話題だけでも振りまいたから、それだけでも十分かな」。前代未聞の魔球を解禁した右腕は、少しだけ胸を張った。

 ▼全セ・坂本 嶋さんに直球ですか?って聞きました。カットしているように見えました。
 ▼全セ・ラミレス 気が付かなかった。直球に見えた。
 ▼楽天・嶋(ダルビッシュとバッテリー)左打者の胸元には浮き上がり、右打者の外には沈む。変化はさまざま。速いスライダーみたいですね。

 ◆ダルビッシュの球種 (1)直球(2)縦のスライダー(3)横のスライダー(4)120キロ台の高速カーブ(5)110キロ台の縦に割れるカーブ(6)100キロ台の曲がりの大きいカーブ(7)140キロ台の高速チェンジアップ(8)130キロ台のチェンジアップ(8)フォーク(9)ツーシーム(10)ワンシーム(11)シンカー(12)カット(13)ジャイロカット
 ◆ジャイロボールとカットボール ジャイロボールは進行方向に回転軸が向き、らせん回転をしながら本塁方向へ進んでいく。回転軸が傾くことによりベース上で不規則に落ちたり、曲がったり、浮いたりと予測不可能な変化が起こる。カットボールは直球系の球で、打者の手元で少しスライドさせる。スライダーより変化は少ないが直球と速度差がほとんどないため、バットの芯を外す球種として近年は使う投手が増えている。

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