KK倒した指揮官が導く!成立学園2年連続4強

[ 2010年7月24日 06:00 ]

ベスト4進出を果たし、喜ぶ成立学園ナイン(左から)姉川、西潟、板山

 第92回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)の地方大会は23日、29大会で116試合を行った。東東京大会では成立学園が日大豊山を下し2年連続の4強入り。選手では岩倉で84年センバツ優勝を経験した菅沢剛監督(43)は、監督としても全国制覇を目指し、あと2勝となった甲子園初出場を狙う。また、北北海道では旭川実が11年ぶり3度目、福島では聖光学院が4年連続7度目の全国切符を手にした。24日は、青森、秋田、福岡で決勝が行われる。

 球児でもV、監督でもVを目指す。第3シードの成立学園が日大豊山を終盤の猛攻で下した。2年連続4強入り。岩倉の二塁手として84年センバツを制した菅沢監督は「チャンスは来ると言い続けた。その期待に選手が応えてくれた」と会心の笑みを見せた。
 エースの西潟が7安打2失点11奪三振完投と踏ん張れば、同点の7回に5本の長短打などで5点。一気に試合を決めた。2回に先制の左越えソロも放った右腕は「炎天下でバテた。でもバックを信じて投げた」と153球の熱投を振り返った。
 岩倉時代、84年センバツの決勝・PL学園戦では8回に2年生の桑田真澄(元パイレーツ)から決勝右前適時打を放ち、初出場初優勝に貢献した。青学大を経て熊谷組、東芝などで活躍。華麗な球歴を誇るが、選手には都市対抗で東京ドームの5万人近い観衆の前で決めた犠打の経験を元に、プレッシャーに耐える1球の重みを伝えた。この日は14安打の一方で無失策、3度の犠打機会成功と指揮官の哲学はしっかり浸透している。04年の就任以降は8強2度、4強2度と結果も出し続ける。全国選手権2度出場のサッカー部に続けと、初出場を狙う。
 成立学園野球部監督は岩倉時代の恩師・望月市男氏から引き継いだ。「そんなレベルじゃないですけど…、してみたいです」と、全国制覇の夢も引き継いだ。KKを倒したあの春の再現を狙う。

 ◆菅沢 剛(すがさわ・つよし)1966年(昭41)10月22日、千葉県生まれの43歳。岩倉では二塁手で3年春にセンバツ優勝。その後、青学大では4年秋(88年)に同大の東都大学リーグ初優勝に貢献し、二塁手でベストナイン獲得。社会人野球の熊谷組と東芝に計10年間在籍し、都市対抗10年連続出場選手の表彰を受けた。02年に成立学園コーチに就任。04年から同校監督。家族は妻。1メートル72、72キロ。右投げ右打ち。

 ▼成立学園 1925年に成立商として創立。04年から現校名。生徒数は1193人(女子488人)で普通科のほかにアスリート選抜コースなどがある。サッカー部は04、06年(82、84回)全国高校サッカー選手権出場の強豪。野球部は1931年から東京大会に参加。97年に埼玉県久喜市に専用グラウンドが完成。部員は47人。現住所は北区東十条6の9の13。主なOBは堀部圭亮(タレント)、山口智(ガンバ大阪)ら。

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