8回無失点、黒田の勝ち!尚成「参りました」

[ 2010年7月24日 06:00 ]

日本人対決を制し、8勝目を挙げた黒田

 【ドジャース2-0メッツ】ドジャースの黒田博樹投手(35)が22日(日本時間23日)、メッツの高橋尚成投手(35)との日本人先発対決を制した。カットボールがさえ、8回を5安打無失点。8勝目を挙げ、先輩の貫禄を示した。一方、5敗目を喫した高橋も7回を3安打2失点の好投。通算6度目の日本人バトルは、過去最高の投げ合いとなった。

 会見を終えた黒田は携帯電話に目をやった。そこには1件のメール。送り主は息詰まる投手戦を演じた高橋だった。「参りました」。8回無失点の快投に相手も潔く完敗を認めるしかなかった。
 「彼(高橋)に負けると何を言われるか分からない。接戦で負けたくないという気持ちは強くあった。いろいろ挑発してきましたけど、惑わされることなく投げられた」
 唯一のピンチは5回2死満塁。学年では1つ下の高橋が打席に入る際にバットを自らに突きつけ挑発してきたが、冷静に遊ゴロに仕留めた。先発メンバーのうち7人が左打者のメ軍で有効だったのが内角に食い込むカットボール。「ツーシームとスプリット(フォーク)だけだとツーシームは踏み込まれ、スプリットは追いかけられる。カットで懐を攻め、踏み込ませない」。24のアウトのうち外野への打球は3。思惑通り相手に的を絞らせなかった。
 さらに過去2年で19回中17回、盗塁を許していた右腕は、初回と4回に二塁盗塁を阻止。今季からセットポジションでグラブ静止の際、おへその位置だったグラブを顔の前に置き、素早くなった改良の効果も出た。
 2人は6月以降、登板後にメールを送り合うようになった。17日のジャイアンツ戦で2回2/36失点KOされた高橋から弱気なメールが届くと、黒田は「弱気になるのはオレに負けてからにしろ!」と返信した。日本時代からセ・リーグでしのぎを削ってきた。今は海を越えて刺激を与え合う。
 6度目の日本人先発対決で7回以上をともに投げたのは2度目。過去最高ともいえる投手戦を呼んだのも、お互いの存在があったから。試合後、2人はすがすがしい表情で食事に出掛けた。

 ≪日本では6度先発対決≫黒田と高橋は日本で6度の先発対決があり、黒田が3勝0敗(高橋は0勝4敗)と圧倒している。最後の先発対決は04年9月28日(東京ドーム)で、黒田が8回2失点で勝利投手、高橋は6回4失点で負け投手となった。

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2010年7月24日のニュース