レオに救世主!平野、3年目プロ2勝目が初完封 

[ 2010年7月16日 06:00 ]

<西・日>プロ2勝目が初完封!ハム打線を3安打に抑え今季初勝利を挙げた平野

 【西武7―0日本ハム】新星の誕生だ――。西武の平野将光投手(27)が15日、日本ハム戦で3安打の完封勝利を挙げた。プロ3年目で今季2度目の先発。08年7月23日の楽天戦(西武ドーム)以来722日ぶりの白星は、首位を快走するチームにさらなる大きな追い風となった。石井一、岸と先発ローテーションは負傷者が続出。そんな状況を吹き飛ばすニューフェースが現れた。

【試合結果


 背後にはロジンバックの白い粉が漂っていた。9回2死一塁、打者は稲葉。ふっと息を吐いて投じた130球目。141キロの直球で右飛に打ち取った。プロ初完封。平野は左足のつま先で、マウンドをトンと蹴って喜びを表現した。
 「初先発以来ですね。どうなんでしょう。運を使っちゃった感じ。気持ち良く投げられました。出来過ぎですね」
 6回1死から陽岱鋼に左翼線二塁打を許すまで無安打投球。好調日本ハム打線を散発3安打に抑え、三塁すら踏ませなかった。渡辺監督も「低めに変化球を投げて打たせて取る。岩隈っぽいなと思った。これこそが本来の彼の投球」と絶賛した。切れのある最速144キロの直球を軸に、フォークボール、スライダーを低めに集めた。バント、併殺を含めゴロアウトが14。打者30人中21人から奪った初球ストライクは最も有効だった。平野も「自分のペースで投げられた。ある程度、低めに投げれば抑えられると思った」と言った。
 今春の宮崎・南郷キャンプ。投内連係では至近距離の送球もおぼつかなくなった。精神面の弱さから、基本プレーにも狂いが生じた。この日は違った。8回、金子誠の打球が左すねを直撃したが「チャンスなので投げさせてもらった」とテーピングをして続投。投手の少ない2軍で13試合、リーグトップの75イニングを投げ、5勝3敗。必要とされる環境でがむしゃらになることで弱さが消えた。
 1年目の08年7月23日の楽天戦(西武ドーム)での初先発初勝利以来2年ぶりの勝利が完封。4回5号ソロの坂田が主砲・中村の代役なら、平野は岸、石井一の穴を埋めてみせた。「先発が苦しい状況で彼みたいな人が1人でも出て来てくれると助かる」。球宴前の本拠地最終戦で出現した救世主に、渡辺監督も感謝した。

 ▼西武・潮崎投手コーチ(平野の好投に)恐れることなく投げていた。初球ストライク率が高かった。この投球は誤算です。

 ◆平野 将光(ひらの・まさみつ)1983年(昭58)6月28日、埼玉県生まれの27歳。浦和実では2年秋に県大会準優勝。平成国際大では通算5勝。JR東日本東北では06年に補強選手として都市対抗出場。07年に大学、社会人ドラフト1巡目で西武入り。今季はイースタンで13試合に登板し5勝3敗、防御率4・88。1メートル86、80キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2010年7月16日のニュース