保谷さんのために勝ちたかった…小松号泣!

[ 2010年7月4日 06:00 ]

<ソ・オ>8回を投げ終え帽子を抑え引き揚げる小松

 【オリックス1―3ソフトバンク】押し殺していた感情が大粒の涙となって表れた。先発として8回3失点140球の熱投。粘投も報われずに黒星を喫したオリックス・小松はタオルで顔を押さえ、人目をはばからず、ただむせび泣いた。

 「保谷さんのためにも何としてでも勝ちたかった…。悔しいです…」
 午後に訃報(ふほう)が飛び込んできた。福岡市内のチーム宿舎で青濤館の保谷(ほうや)寮長死去がナインに伝えられた。悲しみを胸にしまい孤独なマウンドに立った。しかし同点で迎えた7回。2死一、三塁から田上が放った一打は三遊間へ。狙い通りゴロを打たせたが、間一髪で併殺ならず。三塁走者が決勝のホームを踏んだ。
 全員で弔い星を狙った一戦だっただけに悔しさだけが残った。試合前の練習中にはカブレラは「悲しい。今すぐにでも神戸に帰りたい…」と感情を言葉にした。ケガで戦線離脱した際には何度も励まされた。また2軍では死亡が確認された神戸市内の病院の方角に向かって全選手や関係者が黙とう。岡田監督は「小松はよく投げた。(寮長死去の)影響はないと思うけどな…」と肩を落とした。チームの連勝は「4」でストップ。選手にとって父親代わりだった寮長への弔い星はかなわなかった。この夜の敗戦以上に岡田オリックスは深い悲しみに包まれていた。

 ▼オリックスT―岡田 きょうは勝ちたかった。(保谷さんには)いろいろ厳しいことも教えていただいた。高卒でプロに入って何も知らない自分にいろいろ言葉もかけていただきました。

 ▼オリックス坂口 迷惑ばかりかけていたのでよく怒られた。でも、僕のわがままを聞いてもらったり、野球のアドバイスをもらうこともあった。

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2010年7月4日のニュース