センバツV左腕・島袋7安打完封

[ 2010年7月4日 06:00 ]

 第92回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)の地方大会は3日、東・西東京、福岡、鹿児島大会が開幕。7大会37試合が行われた。沖縄大会2回戦では今センバツ優勝、興南のエース左腕・島袋洋奨投手(3年)が今大会初登板。7安打完封と貫禄の投球で3回戦進出に貢献した。

【3日の試合結果
高知大会組み合わせ


 【沖縄 興南5―0浦添】気温30度を超えたマウンドで、今夏初登板のエース島袋がいきなり完封ショーだ。最速143キロ。7安打を許して141球、9奪三振の内容にも「内容は良くなかったけど、昨年の夏に比べて自信を持って投げられている」と心地よさそうに汗をぬぐった。
 チーム2戦目で初登板。先発のマウンドは日大三とのセンバツ決勝戦以来だ。「直球、変化球ともに球がきてなかった」と話す序盤に直球を狙われていると見るや、中盤以降は縦のスライダー、ツーシームを交えて的を絞らせない。得点圏に4度走者を置いたが、得点は許さなかった。
 史上6校目の春夏連覇へ向けた最後の夏。島袋は春から投球フォーム固めに専念してきた。フィニッシュの姿勢、右足に体重を乗せた状態で階段を上り下り。「その形が決まればすべてが決まる」と話す左腕は、独特のトルネード投法をさらに磨き上げた。女房役の山川が試合後に「だいぶ研究されていた」と振り返る通り、沖縄、そして全国のライバルたちは打倒・島袋に照準を合わせている。その中で左腕は「この夏は周りには見られていない自分を出す」として、落ちる球を習得、引き出しを増やしてきた。
 甲子園まではあと4勝。「天狗(てんぐ)にならないで、謙虚に取り組みたい」と島袋は次を見据えた。目指すは深紅の大旗。沖縄の悲願をかなえるまで、主役の座を譲るつもりはない。

 <西東京・日大三>開会式に臨んだエースの山崎は、今センバツ決勝で投げ合った興南・島袋が今夏初先発初完封したことを聞いて「本当ですか?やっぱりまた対戦したいし、こっちも盛り上がります」と声を弾ませた。打倒・興南はチームの合言葉でもある。第4シードで臨む今大会初戦は、15日の都狛江―都拝島の勝者と対戦するが「予選は投げて打って相手を圧倒する」と気持ちは早くも全国の舞台に飛んでいた。

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2010年7月4日のニュース