武田勝がプロ初完封！日本ハム４連勝

　【日本ハム７－０ソフトバンク】少しも表情を崩さず、淡々とアウトを重ねていった。気が付けばスコアボードには「０」が九つ。プロ５年目で成し遂げた初の完封勝利に、日本ハムの武田勝は「みんながマウンドに集まって来たので、どういうリアクションをしていいか分からなかった」と戸惑いながらも、口元をわずかに緩めた。

　生命線は制球力。最大の武器は、この日もさえた。制球に苦しむ相手投手陣とは対照的に９回を無四球。１０９球に無駄な球は一つもなかった。さらに今季３度目の対戦となるソフトバンク打線に対し、大胆な配球も功を奏した。
　「普段は使わない」という右打者へのスライダーと、左打者へのチェンジアップで相手を翻弄した。変化球の投げ分けで打者をかく乱する技は、制球力が伴ってこそ生きる。味方が攻撃している間には、ブルペンで捕手を座らせて投げるなど、終始自分のリズムを保つことも忘れなかった。
　昨季は初の完投勝利に、２けた勝利を経験した。３１歳で迎えた今季は「中学生の時以来」という完封勝ちで５勝目。技巧派左腕の存在感は、年々、増している。