松井秀6月絶好調!全5打席出塁で打率も急上昇

[ 2010年6月5日 06:00 ]

ロイヤルズ戦の5回、右前打を放つエンゼルス・松井秀。投手グリンキー

 【エンゼルス5-4ロイヤルズ】エンゼルスの松井秀喜外野手(35)が3日(日本時間4日)のロイヤルズ戦で3安打2四球と全5打席出塁の活躍をみせ、チームを連勝に導いた。3安打は4月10日のアスレチックス戦以来47試合ぶり。中前、右前、左前と投球コース別に的確に打ち分けた。5月は不振に苦しんだ松井だが、6月は3試合で11打数7安打の固め打ちで打率も・253に上昇。チームも4月30日以来の勝率5割復帰を果たした。

【試合結果


 松井は照れ笑いを浮かべ、大げさに目を丸くした。「高くなりましたねえ。うん、もっと高くなればいいですね」。5月末に・229だった打率は、月が替わりわずか3日間で・253まで上がった。2割5分台に戻ったのは5月4日以来、1カ月ぶり。冗談めかしたくなるほど、経験のない低調が続いてた。

 3回2死一塁、昨年のサイ・ヤング賞右腕・グリンキーの外寄りの直球を中前へはじき返した。5回2死は追い込まれてから内角低めのスライダーを右前へ。9回1死二塁では外角球を左前へ流し一、三塁とチャンスを広げダメ押し点を呼んだ。その裏に1点差に迫られただけに「あそこで点が入り、結果的には良かった」と待望の勝率5割復帰への貢献を喜んだ。

 「一言で言えば球が見えている。見えているからちゃんと芯に当たる」と6月の変身理由を挙げた。残る2打席もしっかりと球を見極めて四球を選んだ。4月27日以来の1試合2四球は松井が打席で最も重視する「投手との間合い」が取れている証拠。フォームを崩してしまう強引な打ち急ぎは見られなくなった。

 加えて大好きな夏到来。メジャー通算で6、7月の2カ月間は打率・312を誇る。この日も気温27度のデーゲームでたっぷり汗をかき、体の切れが増した。かつては入念な走り込みで切れを出したが「今は走り込めない。ひざを考えるとリスクがある」。右ひざ手術明けだった08年は開幕から走り込み、逆の左ひざがパンクした。「今考えると危険なことをしていた」と振り返る。負担を抑えるため、試合直前にだけ外野でダッシュを繰り返す。ひざの不安とつきあいながら、リスク管理した上で出した答え。開幕から2カ月間続けたルーティンが、ようやく実を結びつつある。

 主砲のモラレスが離脱後は19打数8安打、1本塁打、4打点と中軸で発奮。3戦連続のマルチ安打にソーシア監督も「(スランプ脱出と)願いたい。良くなっているのは間違いない」と目を細めた。「結果が続いているのはいいこと」と松井。自信の言葉がゴジラの季節到来を予感させた。

 ≪松井 気温上昇に関係?6、7月が好調≫松井は月間別の通算で打率3割以上をマークしているのが6月と7月。夏場の気温上昇とともに成績を上げる傾向がある。6月の打撃成績は3部門とも2番目の高さ。中でも打点は現時点で最多の5月と2しか差がなく、月別でトップとなるのは目前だ。また、松井のメジャー移籍後の1試合3安打は、これで背番号と同じ55度目。なお、過去に1試合4安打は7度、5安打は1度記録している。

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