岸「夜王」陥落…宝刀カーブ狙い打たれた

[ 2010年5月25日 06:00 ]

<広・西>3回、岸は梵に先制2ランホームランを浴びる

 【西武0-3広島】西武・岸の、1年前の昨年5月25日に広島に敗れて以降、13連勝だったナイター試合は同じマツダスタジアムで止まった。

 3回2死二塁で梵に浴びた痛恨の一発。しかし、投げた岸も、ベンチの首脳陣も「甘かった」という言葉は口にしなかった。フルカウントから低めに投じた116キロの伝家の宝刀カーブ。高さもコースも決して悪くない勝負球がフェンスを越えたのは、広島打線の頭にカーブの意識が大きかったからだ。

 許した8安打中5本がカーブ。これは今季10試合目で最も多い数字だ。広島・内田打撃統括コーチは「岸のカーブは狙って打てる球ではない」ととぼけたが、前日は雨天中止が決まると、野手陣がロッカー室のテレビの前に陣取り、岸の投球を脳裏に焼き付けた。この試合、カーブで奪った空振りは2回だけだった。

 岸は「失投だとは思わない。うまく打たれた」と本塁打の場面を振り返った。以前にもカーブを意識している打線に対して、あえてカーブを投じて勝ってきた投手だけに、納得はしている。ただ、悔いが残るとすれば、相手が意識している球を2球続けたことか。本塁打の直前にもカーブでカウントを取っていた。「1球前より少し甘かった」と梵。軌道の残像があった分、体勢を崩しながらもスタンドまで運ばれた。

 「調子は悪くはなかった」と、6回3失点で先発の役目は果たした。だが、岸が今季右打者に初めて浴びた一発は、2カ月ぶりの黒星につながり、自身の連勝は7でストップした。

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2010年5月25日のニュース