田中 得意“ドラ狩り”で交流戦通算10勝目

[ 2010年5月24日 06:00 ]

<中・楽>4回表、1死二、三塁、田中は中犠飛を放つ

 【楽天8―2中日】トラの次はドラ斬りだ。楽天の田中将大投手(21)は23日、中日戦に先発し、7回1失点で今季6勝目を挙げた。これで中日戦は負けなしの4勝目で、交流戦通算10勝目となった。打撃でも4回に貴重な追加点となる中犠飛を放ち、2試合連続の打点も記録。負ければ単独最下位に転落する一戦で、マー君が投打にわたる活躍でチームの危機を救った。

 完ぺき主義のA型は、敵に勝ったのに自分と闘っていた。7回6安打1失点でチームトップの6勝目。それでも楽天・田中に会心の笑顔はなかった。結果ではなく内容が…。不満そうな口ぶりだ。「感じとしてはいい感じで来ている。よくないながらも、しっかりとゲームをつくれたことはよかったと思う。うーん、すべてがまあまあでしたね」
 初回以外は毎回走者を許した。2回1死満塁など走者を背負いながら粘りの投球。終わってみれば失点は6回のブランコに浴びたソロのみ。これで中日戦は通算負けなしの4勝目、交流戦通算10勝目となった。プロ4年目で通算41勝のうち約4分の1がセ相手の勝利。田中は「相手もデータを集めてくるだろうけど、実際に対戦してみないと分からないし、違いはある。自分のイメージとしてはその時に感じたボールを投げるというのはある」と分析した。対戦が少ない分、投手も自分中心の投球となる傾向が強くなる。その一例が初回2死からの森野との勝負だった。
 2ストライク1ボールと追い込んでサインに首を振った。プレートを外し、仕切り直して投げたのはこの日の最速151キロの内角直球。セの首位打者を三飛に仕留め、結局3打数無安打に抑えた。相手打者のデータが多いパ・リーグ相手よりも、自分のいいボールを生かす投球の成功例。田中の感性と洞察力の高さも生きる。プロ入りした07年以降に限れば交流戦トップの10勝にはそんな理由があった。
 打っても4回に4点目となる中犠飛で16日の甲子園でのプロ初適時打に続いて2戦連続打点。「楽しいといえば楽しいですよ。狙ってました」。打席のある敵地では、07年6月20日の甲子園での阪神戦黒星以降は4連勝。打って投げて田中が勝ち星を伸ばす。

 ▼楽天・佐藤投手コーチ(田中の投球に)前日のブルペンがよかったから期待したんだけど、ダメだったね。去年はブルペンの調子がそのまま出たんだけどなあ。
 ▼楽天・内村(3回1死二、三塁から今季初打点となる右前打)打ったのはスライダーでした。今季初打点、うれしいです。

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2010年5月24日のニュース