球宴舞台でアピール弾!長野です よろしく

[ 2010年5月9日 06:00 ]

<横・巨>5回1死一塁、巨人・長野が右翼に勝ち越し2ランを、横浜先発・三浦から放つ

 【巨人4―3横浜】長野です、球宴よろしくお願いします!巨人は8日、21年ぶりに新潟で公式戦を行い、長野久義外野手(25)が同点の5回に決勝の3号2ランを放ち、横浜を下した。7月24日にオールスター第2戦が開催される舞台で、4月8日の阪神戦(甲子園)以来、1カ月ぶりの一発。勝負強さが光る大物ルーキーが、その名前を強烈にアピールした。4連勝のチームは貯金を今季最多の11とし、2位・阪神とのゲーム差を2・5に広げた。

 初めて訪れたハードオフ新潟で、初めて放った右方向へのアーチ。そして、初めての決勝弾。普段はポーカーフェースの長野も、ヒーローインタビューでまだ真新しいスタンドから大声援を浴びると、思わず白い歯をこぼして両手を上げた。
 「入るとは思わなかったので、うれしかった。スン(李スンヨプ)さんがつないでくれて、ランナーを進めるために右方向に打とうと思いました」

 同点の5回1死一塁、三浦の高めに浮いた外角140キロをフルスイング。しっかり踏み込みながら逆らわずに振り切った打球は勢いを失うことなく、右翼フェンスギリギリでスタンドインした。これが球団通算8999号。前日、ラミレスが「長野が打つよ」と予言していた区切りの一発には1本早かったが「監督やコーチがいろいろと教えてくれているので(打撃状態は)良くなっていると思います」と話した。
 高度な技術が可能にしたアーチだった。ヒットゾーンは右に6本、中堅に12本、左に10本と広角(そのほか内野安打3本)に打ち分けているが、右への本塁打は3本目で初めて。「風の力ですよ」と謙そんしたが、その瞬間はほぼ無風。インパクトの瞬間、手首をしっかり返すことでヘッドが立つ。だから、右方向にも切れることなく力強い打球が飛ぶ。2月のキャンプ時から「教えるのは難しいけど、長野には天性のものがある。手首のパワーと使い方もうまい」と舌を巻いていた篠塚打撃コーチも、「(点を)欲しいところで打ってくれた」と称賛した。
 ここまでヤクルト・中沢とともに新人王レースを引っ張る長野だが、求められている数字は高い。試合前、フリー打撃の順番待ち中には、原監督から「ハヤト(坂本)にホームランも打率も両方負けてちゃいかんぜ」とハッパをかけられ、「頑張ります」と神妙な表情で答えた。9回にも中前打を放って打率・313はリーグ10位に浮上。3安打で・327とした坂本にはまだまだ及ばないが、しった激励に応えたルーキーに指揮官も「いいところで出ましたね」と目を細めた。
 真夏の7月24日には、オールスターゲーム第2戦が行われる地での大活躍。インタビューでは最後に「長野です。あしたも一生懸命頑張ります。応援よろしくお願いします!」と自己紹介を交えて初々しく声を張り上げた。夢舞台を目指すルーキーの姿を目に焼き付けた新潟のファンが、背中を押してくれるはずだ。

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2010年5月9日のニュース