イチロー“禁”破った!メジャー初ダイブ

[ 2010年4月13日 06:00 ]

レンジャーズ戦の7回、マーフィーのライナーを捕球し横っ跳びするマリナーズのイチロー

 【マリナーズ2―9レンジャーズ】マリナーズのイチロー外野手(36)が11日(日本時間12日)、レンジャーズ戦の2―8の7回に大リーグ10年目で自身初めてとなるダイビングキャッチを披露した。これまでは走り抜けた方が早く捕球できる、さらに故障防止にもつながるとの持論から、ダイビングキャッチは封印してきたが、一方的劣勢の中での禁断のダイブ。大型補強を敢行しながら開幕から2勝5敗と不振のチームを鼓舞した。

【試合結果


 スタンドのファンはもちろん、自軍のナインさえも驚きを隠せなかった。7回無死一塁から、ライナー性の打球が右中間へ伸びる。右翼から走り込んだイチローが頭から飛びついた。ダイビングキャッチで好捕すると、素早く内野に返球。イチローらしい華麗さが、実はらしくなかった。
 「いや、もうしようがない。ナックル系(の動き)で、センターだとたまにあるけど、ライトにはほとんどこない打球。揺れてるから最後までどっちに来るか分からない。最後は逃げていった」。禁じ手をメジャー10年目、1433試合目にして解いた。捕球できるかどうかギリギリの打球に対しては「走り抜けた方が早い」との持論を持ち、「頭から行くのはそうでなくても捕れるものが多い。昔はわざと目立とうとやっていました。高校までですけどね」と話したこともある。もちろん故障防止にもつながり、プロ後にダイビングキャッチを試みたのはオリックス時代に1度あるだけだという。
 打球は無回転状態。「目の位置が高いと難しい。低く下から見たい。その(走り抜ける)方がリスクがあると判断したんだろうね」と瞬時の思考を振り返った。3月23日のエンゼルスとのオープン戦で背走捕球の「ザ・キャッチ」、同31日のレンジャーズ戦では本塁へレーザーでなくワンバウンドでストライク返球する「セクシービーム」と美技を連発してきたが、それらとは違う気持ちが前面に出た好捕。低迷するチームを変えるため、何かきっかけが欲しかった。
 試合後には、12日(日本時間13日)のアスレチックスとの本拠地開幕戦に備えシアトルへ戻ったイチロー。「分かりやすいきっかけにはしやすい。結果が出ていない時は、それをつくらないと…」。禁断のダイブに込めた思いが、反攻へのプロローグとなる。

 <新テーマ曲も決定>12日の地元開幕に合わせ、イチローの今季のテーマ曲も決まった。毎年、打席ごとに曲を替えるイチローは今年はヒップホップ4曲を選曲。ピットブルの「Shut It Down」、昨季に球場で対面したフロー・ライダーの「Right Round」のほか、DJキャレドの「All I Do Is Win」、ティー・アイの「Bring Em Out」の4曲。イチロの打撃はもちろん、こちらにも注目だ。

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2010年4月13日のニュース