広島戦を追悼試合に 清武代表「粘り強い37年間」

[ 2010年4月8日 06:00 ]

春季キャンプでノックする木村コーチ

 巨人の清武球団代表は、木村拓コーチの古巣でもある広島3連戦(23~25日、東京ドーム)のいずれかを追悼試合とし、併せて「お別れの会」も行うと発表。「お別れの会では、励ましの声をいただいたファンの方々、広島球団の方々にもあらためて厚く御礼申し上げたい」と語った。

 清武代表にとって同コーチは宮崎南の後輩。会見では「明るく誰からも愛される男。どん底の06年に入団して(09年に)日本一に引き上げてくれた。(昨年9月4日のヤクルト戦で)伝説のキャッチャー姿とか、たくさん記憶を残した」と涙ながらに感謝の言葉を並べ「5日間、強い生命力で持ちこたえてくれた。粘り強い37年間だったと思う」と声を絞り出した。
 その後は兵庫県内の宿舎から広島に移動し同コーチの自宅を弔問。「拓也、よく頑張ったな」と涙声で語りかけ、遺族には「できる限りサポートします。何でも相談してください」と伝えた。

 【経過】

 ▼4月2日 広島戦(マツダ)の試合前の午後5時30分頃、シートノック中にグラウンドで突然倒れる。心臓マッサージ、自動体外式除細動器(AED)での心肺蘇生(そせい)措置などを施され、広島市内の病院に緊急搬送。くも膜下出血と診断され入院。
 ▼3日 同コーチを病院に見舞った清武球団代表が「意識不明のまま非常に危険な状態が続いている」と説明。球団公式サイトには1022件の応援メッセージが届く。
 ▼4日 「正直、悪化の一途をたどっている。奇跡を待って戦っているのが実情」と清武代表。チームは4連勝を飾り、マツダスタジアム左翼席のファンは試合後、同コーチの現役時代の応援歌を合唱。
 ▼5日 大阪に移動したチームを離れ、広島に残った清武代表は「人工呼吸器を装着したままの状態。私たちは奇跡と生命力に懸けている」
 ▼6日 球団への激励メッセージが8000件を超える。阪神戦の試合後には、大阪に移動した清武代表が内海、阿部に詳細な症状を伝える。
 ▼7日 午前3時22分、広島市内の病院でくも膜下出血のため死去。

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2010年4月8日のニュース