松井秀 レジー以来の偉業が目標!

[ 2010年4月7日 06:00 ]

<エンゼルス・ツインズ>色紙を手に笑顔を見せるエンゼルス・松井 

 【エンゼルス6-3ツインズ】エンゼルスの一員として最高のデビューを飾った松井が、スポニチ本紙の独占インタビューに応じた。36歳の誕生日を迎えるシーズンにヤンキースからエ軍に移籍した経緯は「ミスター・オクトーバー」の異名を取った通算563本塁打のレジー・ジャクソン氏(63)と酷似。松井は同氏以来2人目となる2球団によるワールドシリーズMVP獲得と、2年連続世界一を目標に掲げた。

【試合結果


 ――昨年の開幕弾の後は笑顔がなかったが、今年は満面笑みだった。

 「昨年は負けていたけど、今回は終盤で引き離す大事な本塁打ですから。それが一番大きいと思いますよ。もちろん、チームが変わって最初の本塁打ということもあるでしょうけど」

 ――日本中が注目している中での大活躍。何か持っていると思う?

 「注目しているかは分からないですけど。自分が“持っている”かどうかも自分には分からないですね。周りが判断してくれれば」

 ――エンゼルスはFAで獲得した時から4番として期待していたが、4番として開幕戦で勝利に貢献できたのは特別か。

 「何番だからとか、あんまりそういうのはない。何番だろうが、自分のベストは尽くす。2年前なんて開幕8番ですから。そういう中で結果を出せば、上がっていく」

 ――東海岸のヤンキースから西海岸のエンゼルスへ。今回の移籍の経緯が、レジー・ジャクソン氏と似ていることは知っているか。

 「聞いたことはあります」

 ――ヤンキースの臨時コーチだった時、実際に指導を受けたことは。

 「指導を受けたことはない。“オレが知っている寿司屋に行ってくれ”って、そればっかりだよ」

 ――現役時代の映像を見たことは。

 「あんまりないです。(77年ワールドシリーズの)3打席連続本塁打の映像は見ているけど」

 ――ファンは、ポストシーズンの強さを重ね合わせている。大舞台に強いと思われるのは光栄?

 「そう思われるのはうれしいことです。実際の数字はそれほど打っていないけど。そういうイメージが残っているのは、うれしいですよね」

 ――ジャクソン氏はメジャーで唯一、2球団でワールドシリーズMVPを獲得。それが自身の目的ではないとしても、そういう期待が集まる。

 「まずはワールドシリーズに出ること。出て、しかも勝たないと(打っても)MVPにはなれないから」

 ――それは自身の目標のベクトルには入る。

 「もちろん。ワールドシリーズMVPということは、エンゼルスがワールドチャンピオンになるということだから。そういう意味では、ありますよね」

 ――しかも、ヤンキースを倒してワールドシリーズに進めば最高では。

 「相手はどこでもいい。勝てばいいんです」

 ――残り28本で日米通算500本塁打に到達する。日本だけでの通算500本塁打と、また違う重みがあると思うが。

 「(到達して)ファンの方が喜んでくださればいいです。それを意識してやることはない」

 ――大リーグでも通算500本塁打は25人しかいないが。

 「基本的に、自分がしたこと、することを凄いとは思わない。たぶん客観的に見て500本打ったら凄い選手だなと思うんだけど」

 ――あくまで、それでファンが喜んでくれることがうれしい?

 「そうそう。ファンの方が喜んで見てくれるのがね。(数字は)やっぱり見ている人が楽しむものだから。自分にとっては、どれだけ勝利に貢献し、どれだけチームが勝ったのか。それだけだよ」

 ◆レジー・ジャクソン 1946年5月18日、ペンシルベニア州生まれの63歳。アリゾナ州立大から66年ドラフト1巡目でアスレチックス入り。73年にシーズン、ワールドシリーズともにMVP。FA制施行1年目の77年にヤンキース移籍。同年のワールドシリーズで2度目のMVPを獲得した。82年にエンゼルスに移籍し、87年引退。93年に殿堂入り。通算成績は打率・262、563本塁打、1702打点。2597三振は大リーグ記録。

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2010年4月7日のニュース