坂本V犠飛!原巨人、尾花ベイをうっちゃり!

[ 2010年3月31日 06:00 ]

<横・巨>笑顔でナインとハイタッチする坂本(中)

 原巨人が尾花ベイに先勝だ。巨人は30日、横浜戦の8回に同点に追いつくと、9回1死満塁から坂本勇人内野手(21)の左犠飛で勝ち越し。逆転勝ちで連敗を2で止め、勝率を5割に戻した。昨年まで巨人でコーチを務めた尾花高夫監督(52)率いる横浜との今季初戦。注目の監督対決第1ラウンドは勝負どころの終盤を制した原辰徳監督(51)に軍配が上がった。

【試合結果


 【巨人4―3横浜】気温7度の横浜に吹く夜風が、火照った体に心地よかった。尾花横浜との今季初対決に勝利。ベンチワークがさえた原監督は「1つ勝つのは大変だし、重い試合だった。みんなよくやった」とナインを手放しで褒めた。
 9回の攻撃に原イズムが凝縮された。先頭のエドガーが右前打で出塁して、走塁のスペシャリストの鈴木を代走に起用。打席に向かう阿部に近寄り、耳打ちした。阿部はバントの構えで初球の直球を故意に空振り。アシストを受けた鈴木は難なく二盗に成功した。
 原巨人には無死一塁から1つもアウトを増やすことなく無死二塁にするために細かいサインが存在する。CS、日本シリーズなど短期決戦で披露することが多く、開幕当初の「偽装バント」は極めて異例だ。その後、1死満塁の好機で坂本が決勝の左犠飛。原監督は「耳打ち?無駄話はしてない」とけむに巻いたが、鈴木、阿部が高いレベルの要求に即座に応えた。
 08年は開幕5連敗を喫し、昨年も開幕カードは2敗1分け。今季も1勝2敗と打線が本領を発揮するまでは時間が要る。2点を追う8回は坂本、松本の連打で無死二、三塁としたが、小笠原の内野ゴロとラミレスの犠飛で同点止まり。原監督も過去の経験から各打者の硬さを感じており「開幕したばかりで、選手が肩に力を入れすぎているように見えるが、通らなければいけない」と当面は9回のようにベンチワークを駆使して打線を活性化させる方針だ。
 原監督は「1つの勝利は簡単ではない」と繰り返した。尾花横浜との初戦を制して2勝2敗。この日の指揮官の采配と行動にはリーグ4連覇への決意が込められていた。

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2010年3月31日のニュース