36年前と同じ相手に同じスコアで…偉大なOBの命日飾れず

[ 2010年3月28日 18:06 ]

 【向陽1―3日大三】21世紀枠の向陽は日大三に力負けだった。36年前に出場した時も、同じ相手に屈している。スコアも同じ1―3。当時コーチだった石谷監督は「36年前の再現だった」と苦笑いだった。

 打線の援護がない中で、エースの藤田が1回戦に続いて一人で投げ抜いた。右腕は「詰めの甘さが敗因。決めにいくところで、抜けた球が1回戦より多かった」と責任を背負い込んだ。
 29日は旧制の海草中時代、1939年夏の甲子園大会の準決勝と決勝でノーヒットノーランの快投を演じた伝説のOB、嶋清一さんが戦死した命日だった。その日まで甲子園でプレーする目標は惜しくも果たせなかった。1回戦では相手監督に「21世紀枠に負けて末代までの恥」と言われて騒動に巻き込まれたこともあった。
 だが、選手らは動揺を見せることなく、強豪相手に食い下がって、意地は見せた。指揮官は「試合に集中してくれた。チームは成長した」。確かな存在感を示して、向陽は甲子園を去った。

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2010年3月28日のニュース