松井秀“大当たり”今季1号!オーナー車も破壊…

[ 2010年3月26日 06:00 ]

笑顔を見せながら、ガラスが割れたオーナーの車を見つめるエンゼルス・松井

 【エンゼルス8-6ロイヤルズ】オーナー、ごめんなさい。エンゼルスの松井秀喜外野手(35)が24日(日本時間25日)、ロイヤルズ戦に「4番・DH」で出場し、5回にオープン戦1号となる3ラン。オープン戦10試合目、通算28打席目で待望の移籍初アーチが飛び出した。さらに一発の直前に放ったファウルがアート・モレノ・オーナー(63)の愛車ベンツのフロントガラスを破壊するなど、まさに大当たり。赤ゴジラがいよいよ全開間近だ。

【松井秀喜特集


 駐車場に現れたモレノ・オーナーの手には、松井からの謝罪文入り記念球が握られていた。
 「Oops!Sorry about that…(やっちゃった!ごめんなさい)」
 5回、松井が1号を放つ直前の大ファウルが右翼後方の駐車場にあったオーナーの愛車ベンツCL600(推定価格2000万円)を直撃。フロントガラスを破壊し約70センチのひびが入った。しかし、広告業で巨万の富を築いたオーナーは「これから60発打ってくれればいい。妻が座る(助手席の)方だから問題ない。誰かこの車買うか?」とニヤリ。15日の試合後には松井を車でひきそうになったハプニングもあっただけに「これでイーブンだな」と高笑いした。
 亀裂が入ったガラスを見た松井も「本塁打を打ったので怒りも多少収まっていると思う。(対面せず)このまま逃げようと思う」と笑わせ、さらに「オーナーの所だけガレージを造ればいい」。こんな軽口が出るのにも理由がある。記念すべき1号は、この大ファウルが端緒だったからだ。
 5回無死一、二塁。初球の内角の89マイル(約143キロ)に反応。「インハイの難しい球だったので、しっかり振れていると思った」。うまくさばいた右翼後方への大ファウルに好感触を得て、2球後の外角チェンジアップにも反応できた。それがオープン戦28打席目、昨年ワールドシリーズ第6戦以来の一発となった。
 これまでなかなか打球が上がらず、長打はゼロ。スイング自体に手応えはあったが、打つべき球の選択ミスやミートポイントのわずかなズレで結果が出なかった。しかし、左ひざを良好な状態に保てたことで、打席を重ねるごとに精度が上がってきた。初回には鋭い中前打を放ち、3回は四球を選び、そして本塁打。「投球に対していい反応ができているということ。しっかり振れた」と手応えを口にした。
 この日から打線はベスト布陣を組み4発10安打で8点。ソーシア監督も「ホールインワンだな。どういうスイングをすべきか理解している」とその中心で機能した4番を称賛した。オープン戦打率は・250まで回復し、3回には二塁へ今年初のスライディングも見せひざの不安を一蹴。26日のジャイアンツ戦で2度目の外野守備に就くことも決まった。打って走って守って、そして笑わせて。赤ゴジラの春満開はすぐそこまで来ている。

 <仲間は爆笑「これでマイナー行き」>チームメートも松井の破壊弾には興味津々の様子。3番のハンターは、キャンプイン当初から松井がフリー打撃で柵越えを放つたびに「車が危ない!」と冷やかしていたが「恐ろしい男だ。弁償しないと。給料から引かれるぞ。これでソルトレーク(マイナー3A)に送られるよ」と大笑い。前日、松井と寿司を食べたという主砲は初回に中越えにオープン戦1号ソロ。2打席目も豪快な左越え2ランを放ち、打率4割と、こちらもエンジン全開だ。

 <修理代は40万円ナリ?>松井が破壊したオーナーの車のフロントガラスを直すにはいくらかかるのか。ベンツのディーラーであるヤナセ東京支店によると「型式や細かい仕様で違いますが、工賃を入れて40万円ほどでしょう」。フロントガラスはすべて取り換える形になるという。ちなみに松井は02年までの巨人時代、「ヤナセ・ジャイアンツMVP賞」を4度受賞。同支店での表彰式にも出席している。

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2010年3月26日のニュース