苦節29年の白星 ドラフト候補左腕は10個が見逃し三振

[ 2010年3月26日 13:22 ]

初戦を突破し喜ぶ島袋投手(中央)ら興南ナイン

 【興南4―1関西】選抜初出場から29年。4度目の挑戦で初めて、興南が春の甲子園に校歌を響き渡らせた。無四球の14奪三振で1点に抑え、勝利に導いたプロ注目の左腕島袋は「待ちに待った勝利で、とてもうれしい」と顔をほころばせた。

 打者に背中を向ける独特のフォームから、低めへ真っすぐの制球が素晴らしく、14三振のうち10個を見逃しで奪った。三振を意識した投球ではなく、打たせて取ろうと丁寧にコースを突いた結果だ。捕手の山川は「コーナーにしっかり投げてくれたので三振を取れた」とたたえた。
 バックも無失策の堅守でもり立てた。特に五回無死、中越え打で三塁を狙った打者走者を機敏な中継で刺したプレーが光った。直後に3連打されているだけに、島袋は「あのプレーが一番助かった」と感謝した。
 昨春は1回戦で富山商(富山)に延長十回、19三振を奪いながら0―2で敗れた。走者を許して動揺し、投げ急いで痛打された苦い思い出だ。この日も九回無死から連打を浴びたが、後続を断って「あの経験があるから、危ない場面があってもしっかり間を取って抑えられた」と胸を張った。
 ただ、高めに浮いた球を狙われ、10安打を許した内容には反省が残る。2回戦の相手は強打の智弁和歌山(和歌山)だ。エースは「要所を締めて、低めに集められるようにしたい」と、さらに気持ちを引き締めた。

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2010年3月26日のニュース