松井秀 645日ぶりドジャース戦で“守る”!

[ 2010年3月22日 06:00 ]

守備練習をこなすエンゼルス・松井(後方はハンター)

 エンゼルス・松井秀喜外野手(35)が、22日(日本時間23日)のドジャース戦とのオープン戦で左翼手として外野守備に復帰することが分かった。実戦で守備に就くのは、08年6月15日アストロズ戦以来、実に645日ぶり。真の完全復活に向け、大きな一歩を踏み出す。20日(同21日)はジャイアンツ傘下マイナーとの練習試合に出場し、21日(同22日)マリナーズ戦でのイチロー外野手(36)との移籍後初対決に備えた。

 松井がついに左翼の守備に復帰する。今キャンプは左ひざ痛の再発防止のために、日々様子を見ながら慎重に調整。ソーシア監督はここにきて「守らせる可能性は非常に近づいている」と守備での出場が間近であることを示唆していたが、この日までに松井自ら首脳陣にゴーサインを出した。
 左翼で先発出場するのは22日のドジャース戦。4月5日(日本時間同6日)の開幕まで約2週間となり、指揮官は「来週の火曜日か水曜日までに全員そろえたい」と23日マリナーズ戦か24日ロイヤルズ戦から、ベスト布陣で臨む方針を示している。その直前に松井の外野テストが間に合った。
 念願の守備復帰に向け、細心の注意を払ってきた。2月中旬のキャンプイン時は守備は一部別メニュー。ひざに負担が大きい急停止や低い姿勢で打球を追う動きも、徐々に慣らしてきた。また、ほぼ1日置きにマイナー施設でプールトレーニングのメニューを消化。水流の抵抗を受けながらの歩行でひざの不安を軽減させてきた。入念なケアも奏功し「ひざの状態は、去年よりずっといい」と明かす。この日のノックでも後方深くの飛球に速度を緩めずに背走し、好捕する場面があった。
 昨季はワールドシリーズで自身初の世界一と日本人初のMVPに輝いたが、守備に復帰して初めて完全復活といえる。ヤンキース最終年の昨季は一度も試合で使えなかったグラブもフィット感を高めるため手を入れる部分を1・5センチ狭くするなど改良。「1週間に数日守備をしてくれれば助かる」と話すソーシア監督の構想に応えるためにも最善を尽くしてきた。
 松井はこの日、DH制がなかったオープン戦を欠場しマイナーの練習試合に出場。5回まで全打席を正遊撃手アイバーに続く2番打者として迎える変則ルールで、3四球と二ゴロ、空振り三振の2打数無安打だった。これまでオープン戦では18打数2安打。またも快音は聞かれなかったが「追い込まれた後にしっかり球を見られたのはよかった」と収穫も口にした。
 「使う方も安心して使えないといけない。ある程度見せなくちゃいけない」とオープン戦での守備復帰に意欲を見せていた松井。偶然にも、舞台はヤ軍時代の恩師・トーリ監督率いるド軍戦で、堅実な守備での貢献度を誰よりも評価していた指揮官の前で1年9カ月ぶりに左翼の守備に就く。

 ◆松井と守備 ヤンキース時代の08年6月15日アストロズ戦に3番・左翼としてフル出場したのが最後。次戦の17日パドレス戦後に古傷の左ひざ痛が再発した。07年に手術した右ひざをかばってプレーしていた影響が出たもので、以降の出場はすべてDHか代打に限定。手術を経て迎えた昨年も守備機会は与えられなかった。FAになった昨季オフも、ヤ軍のキャッシュマンGMは一貫してDH専任としての再契約を検討。松井は「野球選手である以上守りたいし、自分としては守りながら試合をした方がプレーしやすい」とし、DH兼外野手としてオファーしたエンゼルス入りを選択した。

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2010年3月22日のニュース