21世紀枠 向陽勝利の校歌!甲子園に響き渡った!

[ 2010年3月22日 09:53 ]

45年ぶりに初戦を突破し応援席へ駆けだす向陽ナイン

 第82回選抜高校野球大会第2日は22日、甲子園球場で1回戦を行い、第1試合は21世紀枠で36年ぶりに出場した向陽(和歌山)が昨秋の中国大会王者の開星(島根)を2―1で下して、2回戦に進出した。向陽は、選抜大会は1965年以来、45年ぶりの勝利だった。

 【センバツ・向陽2―1開星】旧制の海草中時代に夏2連覇を成し遂げている古豪が鮮やかに復活した。向陽は、エースの藤田が昨秋の中国大会覇者の強力打線を1点に抑え込んだ。「楽しく投げられたし、言うことなし。100点満点」。45年ぶりに甲子園で1勝を挙げた。
 122球。打たせて取る投球を主体に、テンポよく捕手のミットを目がけて投げ込んだ。140キロ近い直球で打球を詰まらせ、勝負どころでは決め球のスライダーで三振を奪う。圧巻だったのは9回だ。1点差に迫られて迎えた1死三塁のピンチ。エースはスライダーの連投で2者連続三振を奪った。打線が少ない好機を生かしてもぎ取った2点を守りきった。
 1939年の夏は、野球殿堂入りをしている故嶋清一氏が準決勝、決勝で無安打無得点試合を記録。翌40年の夏も制している。右腕は「嶋さんのようになるのが目標」とあこがれを口にする。当時のエースの写真を見てフォームをまねたり、伝記を何度も読み返した。この好投で、偉大な大先輩に一歩近づいたと言える。
 36年ぶりに戻ってきたひのき舞台。21世紀枠での出場ながら、臆することはまったくなかった。アウトを一つ取るごとに、アルプス席が大歓声で沸いている。藤田は「あの声援があったからこその勝利」と言い切った。向陽のOBでもある石谷監督は「感無量。校歌もじっくり聞いた」とうれしそうだった。

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2010年3月22日のニュース