動き出した未完の大器…中田 初めてずくしに感動

[ 2010年3月21日 06:00 ]

6回無死二、三塁 日本ハム・中田はバットをしならせ中前適時打を放つ

 【日本ハム3―5ソフトバンク】ずっと夢見ていた場面だった。振り抜いた打球が、詰まりながらも左中間へ落ちる。プロ3年目で初の開幕スタメン、そしてプロ初適時打。一塁ベース上で中田は控えめに右腕を上げた。

 「打てなくてもいいから悔いが残るスイングだけはしないようにと思っていた。打球が落ちた瞬間は頭が真っ白になった」。代走を送られてベンチへ戻ると、兄貴分のダルビッシュから頭を3回も叩かれる手荒い祝福を受けた。
 3点を追う6回無死二、三塁。高めに来たスライダーに食らいついた。第1打席から執ように内角を攻められた。「最初の打席で(杉内さんの)球が凄くてびっくりした」。第2打席も5球中4球が内角。これまでなら腰が引けていたかもしれない。しかし、迷い続けた今までの中田じゃない。「考えても打てないものは打てない。思い切り振る」と気持ちを切り替えた。だから、適時打を放った打席の2球目にも右足を直撃しそうな内角球があったが、踏み込んでいった。
 スタンドで見守った母・香織さんは「少々のことでは動じない子なのに(この2年間は)げっそりして心配だった。でも、この場に立たせてもらえて“良かったね”と言いたい」と喜んだ。梨田監督も「超満員の中で打てるのは、なんか持っている証拠。あとは本人次第」と目を細めた。
 この日、打席に入る際に登場曲として選んだのは嶋大輔の「男の勲章」。♪ツッパることが男のたった一つの勲章~♪自らのスタイル、フルスイングを貫き通す決意を曲に込めた。
 「きょうのことはきれいに忘れて、次の試合のことを考える。チームの勝利にどんどん貢献していきたい」。守備では3回2死二塁で小久保の左前打で、二走・川崎を本塁で封殺しようとして本塁へ悪送球。タイミング、状況を考えれば、追加点を与えないために打者走者を二塁へ行かせないことが優先だった。課題は山積み。それでも未完の大器が自慢の打棒でようやく片りんをのぞかせ始めた。

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