2軍じゃあ格が違う!中田 五厘刈りで一発

[ 2010年3月12日 06:00 ]

<イースタン春季教育リーグ 日・ロ>坊主頭にした中田(中央)は試合前の円陣の中心でナインにゲキをとばす

 【教育リーグ・日本ハム4-4ロッテ】日本ハムの中田翔内野手(20)が11日、ロッテとの教育リーグに3番・左翼で出場。第1打席で左越え2ランを放つなど2安打3打点の活躍を見せた。1軍では不振を極めて2軍調整を言い渡されたが、格が違うと言わんばかりの猛打で猛烈にアピールした。自慢の長髪をバリカンで丸刈りにして臨んだ再出発の舞台での一発。開幕スタメンに向けて首の皮一枚残った。

 今の中田に必要なのは自信だった。20歳の元怪物は、強風と土煙が舞う2軍の本拠地・鎌ケ谷でそれを取り戻した。

 「今まで考えすぎてたんで。(きょうは)ほとんどが惜しい飛球だったし普通にやれた。リフレッシュ?なりましたね」

 初回から打ち気満々。1死一塁で左腕・那須野の初球に食らいついた。122キロの真ん中低めのスライダーに泳がされながらスイングはやめなかった。左手一本で拾い上げると、打球は左翼席で大きく弾んだ。第2打席は野手が打球を見失う幸運な二塁打で、第3打席は1死二、三塁からきっちり中犠飛で打点を稼いだ。

 オープン戦は沖縄の2試合こそ結果を残したが、ここ6試合は21打数3安打。つなぐ打撃を意識するあまり、追い込まれては凡打を重ねて思い切りの良さを失っていた。前日のオリックス戦で3打席連続三振。教育リーグでの調整を通告された中田は、寮に戻ると自前のバリカンで頭をツルツルに刈り込んだ。「気合入れた?そうだね」。オフから茶髪の長髪で過ごし、キャンプ中は大社オーナーから髪形にダメ出しされた後も、襟足を短くしただけだったがここにきて初心に戻った。

 さらに打撃フォームもグリップ位置を右肩より上に上げる昨季のフォームに戻した。5打席のうち3打席で第1ストライクを打ちにいった。結果を気にせず、ガムシャラな姿勢を示して「打てる打てないは別にして、リラックスしてやれました」と振り返った。イースタンリーグ本塁打王に輝いた昨季30本塁打中、15本を放った大好きな球場で生き返った中田。伝え聞いた梨田監督は「良かったね。まあ計算通りというか環境を変えてあげることも大事だから」と満足そうに話した。

 12日は休日返上で練習。13日のロッテ戦(東京ドーム)から再び1軍に合流する。腰痛の森本は開幕絶望。村田、高口らとの争いに勝てば初の開幕1軍どころか開幕スタメンの可能性さえある。開幕までアピールのチャンスはあと3試合。中田が生き残りを懸けて最後の勝負を挑む。

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2010年3月12日のニュース