原点回帰だ!雄星 高校時代のフォームに戻す

[ 2010年3月12日 06:00 ]

キャッチボールする雄星

 西武・雄星が原点回帰を誓った。前日、小野2軍投手コーチと2本のDVDで投球フォームを比較。昨年センバツ時と、2回3失点に終わった9日の教育リーグ・巨人戦のものを比べるとその差は歴然としていた。

 「自分でも驚くくらいテークバックが小さくなっていた。あれでは上から叩きつけて投げるイメージができない」。昨夏甲子園で痛めた左脇腹をかばうため、自然と左腕のテークバックは小さくなり、躍動感あるフォームが失われていた。出した結論が「花巻東の菊池雄星をつくっていく」ことだった。

 この日の西武第2球場ブルペンでは、左腕をしっかり下まで下ろしてからトップの位置に持っていった。そうすることで軸足にタメができて、体重移動もスムーズになった。さらに右足を踏み込む際に上がり気味だった右肩を水平に戻して、体のブレも修正した。慣れ親しんだフォームに戻して投げ込んだ球数は、気が付けばプロ入り最多となる176球を数えた。

 「今までは高校とプロを別々に考えていた」と雄星。プロで通用するためのフォームを自分なりに試行錯誤してきたが、結果は出なかった。ここにきて「高校をベースに新たなものを加えていく」と意識改革したことで、迷いを断ち切った。12日はフリー打撃に登板。実戦登板は17日の教育リーグ・ロッテ戦(浦和)が有力だ。遠回りの末にたどり着いた答えが間違っていなかったことを、マウンドで証明してみせる。

 ≪雄星 Qちゃんと対談「学ぶことは多い」≫西武の雄星は練習後、TVの収録で訪れたシドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんと昨年12月以来の対面。初めて実業団に入った頃の苦労話を18歳左腕に話した高橋さんは「3カ月前より意識的な部分が凄く変わった。あとは実戦。どれだけガムシャラにできるかだと思う」とエールを送った。18歳左腕も刺激を受けた様子で「競技は違うけどメンタル面で学ぶことは多い」と話していた。

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2010年3月12日のニュース