ドカ~ンと一発3ラン!当たり前田の復活だ!

[ 2010年3月12日 18:11 ]

6回広島1死一、三塁、代打・前田智が右越え3ランを放つ

 【広島7―1阪神】そのバットはまださび付いていなかった。広島は6回1死一、三塁で打席に代打の前田智。内角高めの直球を無駄のないスイングで右翼席へ。「初球からいくつもりだった」。2008年5月25日以来となる一発で、健在を示した。

 体の至るところに故障を抱え、昨年はほとんどを誰もいない室内練習場で過ごした。久々にファンの前に姿を現したのは最終戦。広島の最後の優勝を経験した唯一のチームメート、緒方(現野手総合コーチ)の引退試合だった。
 緒方がボロボロになりながら戦い抜いた一方で、前田智はリハビリに明け暮れて戦力になれなかった。花束を手渡すと観客から大きな声援を浴びたが、内心では「弁当を投げられるかと思った」と言う。どん底を経験し、代打で生き抜く決意で1軍に戻ってきた。
 久々の本塁打にも前田智は「コメントできる立場じゃない。頑張らないと1軍に残れない」と危機感を口にする。21年目のシーズン。38歳のベテランは代打の切り札として、一振りにすべてを懸ける。

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2010年3月12日のニュース