巨人初!新人3人開幕1軍 原監督が示唆

[ 2010年3月10日 06:00 ]

バットを手に室内練習場に行く長野

 リーグ4連覇と日本一連覇を狙う巨人の原辰徳監督(51)が9日、広島戦が雨天中止となったマツダスタジアムで1軍に帯同しているドラフト1位の長野久義外野手(25)、土本恭平投手(24)、市川友也捕手(24)の新人3選手の開幕1軍入りを示唆した。新人で3選手が開幕1軍なら、開幕ロースターが発表されるようになった85年以降ではチーム初。開幕スタメンも狙える長野は、10日の阪神戦(皇子山)に向け意気込んだ。

 サバイバルが続いている時期に異例の発言が飛び出した。広島戦が雨天中止となり、室内でナインの練習を見守った原監督は長野、土本、市川の新人3選手について「開幕1軍の可能性は十分にある。3人とも戦える力はあるよ」と言い切った。

 開幕ロースターが発表されるようになった85年以来、新人が3人も開幕1軍に残った例はない。原監督は実力至上主義で「若手の育成が目的ではなく、勝つことが目的」が持論。指揮官が3選手の開幕1軍の可能性を示唆したのは、それだけ実力を認めている証拠だ。

 特に長野は開幕1軍どころか、開幕スタメンも狙える逸材。もともと守備と走塁には定評があったが、ここまでオープン戦7試合で打率4割、1本塁打、12球団トップの9打点は規定打席には到達していないが“チーム3冠”だ。10日の阪神戦は相手の捕手が城島となる可能性もあるだけに「勉強したい。社会人時代は配球をメモしたりしていたけど、打席に入っての感覚を大切にしたい」と阪神バッテリーとの対戦を肥やしにするつもりだ。

 140キロ台後半の直球と切れのあるフォークで評価が急上昇中の中継ぎ右腕・土本も「開幕1軍は目標だけど、結果を出して1軍に定着したい」と志は高い。阿部、鶴岡に続く3番手捕手での開幕1軍を目指す市川は近日中にスタメンマスクをかぶる予定で「元気はつらつとしたプレーを見せたい」と目を輝かせた。

 ここ数年は坂本、松本、山口ら生え抜きの若手が主力に成長している原巨人。中堅、ベテランの危機意識も高まり、年々、チーム力は上がっている。リーグ4連覇を狙う2010年は長野、土本、市川が新風を吹き込む。

 ◆長野 久義(ちょうの・ひさよし)1984年(昭59)12月6日、佐賀県生まれの25歳。筑陽学園―日大―ホンダ。06年の日本ハム4巡目指名、08年のロッテ2位指名を蹴り、09年ドラフト1位で巨人入団。都市対抗には3年連続出場し昨夏は3番で活躍しホンダを13年ぶり2度目の優勝に導いた。日大時代から通算7度日本代表入り。家族は両親と妹。1メートル80、80キロ。右投げ右打ち。
 ◆市川 友也(いちかわ・ともや)1985年(昭60)5月9日、神奈川県生まれの24歳。東海大相模―東海大―鷺宮製作所。高校では3年夏に県4強。大学では4年時に同僚の加治前らとチームを引っ張り、春秋制覇し2季連続ベストナインにも選出。社会人では2年連続で都市対抗に出場した。09年ドラフト4位で入団。1メートル76、78キロ。右投げ右打ち。
 ◆土本 恭平(つちもと・きょうへい)1985年(昭60)10月13日、岐阜県生まれの24歳。土岐商―専大―JR東海。高校入学後に本格的に投手となり、03年夏の岐阜県大会4強進出。大学では4年春に1部で3勝をマーク。社会人では主に抑えとして活躍し、昨年の都市対抗に三菱自動車岡崎の補強選手として出場した。09年ドラフト3位で入団。1メートル75、73キロ。右投げ右打ち。

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