ここ数年、メジャーの感覚を磨いていた尚成

[ 2010年2月12日 08:19 ]

高橋尚 マイナー契約でメッツと合意

 昨年11月8日。巨人が日本シリーズを制した翌朝、高橋尚成は「FA権がなければ悩まなくてよかったのに」と漏らした。巨人に残れば、生え抜きとして安定した将来があっただろう。それを捨ててでも「高校生がプロ野球にあこがれるような気持ち」で大リーグ挑戦を決めた。その入り口にようやく立った。
 生命線は低めへの制球。球威で抑えるのではなく、多彩な変化球で打ち取るタイプだけに、パワーヒッターがそろう大リーグではより一層の精度が必要だ。しかし練習では既に、滑りやすいとされる大リーグ公式球にも好感触をつかんでいる。
 ここ数年、キューバの選手が練習で使う重さ1キロの鉄球を地面に叩き付けたり、キャッチボールでソフトボールなどを用いて指先の感覚を磨いてきた。肩やひじを始め、大きな故障歴がないのも長丁場の戦いでは好材料だろう。
 1月下旬になっても所属が決まらず、焦りが募る時期になっても「ここまで待ったんだから」と夢の実現を信じ、笑顔で練習を続けた。FA宣言から約3カ月。マイナー契約からのスタートとなるが、4月2日で35歳になる左腕の、夢舞台での挑戦が始まる。(共同)

続きを表示

2010年2月12日のニュース