涙のオリックスナイン、まだ受け止められず…

[ 2010年2月7日 06:00 ]

<オリックスキャンプ>亡くなった小瀬浩之選手に黙とうをささげる岡田監督(左から3人目)らオリックスの選手、関係者

 オリックスは小瀬浩之外野手(享年24)の転落死から一夜明けた6日、キャンプ地の沖縄・宮古島で練習を行った。宮古島市民球場には球団旗が半旗として掲げられ、岡田彰布監督(52)をはじめ1、2軍の全選手らが練習前に黙とう。小瀬選手の冥福を祈った。この日の練習はチームメートの急死による選手への影響を考慮し、午後1時までの2時間半に短縮。岡田オリックスが深い悲しみに暮れた。

 練習どころではなかった。横山は泣き崩れ、坂口はサングラスで涙を隠しながら打撃練習を行った。キャンプ期間中にチームメートが転落死するという前代未聞の悲劇。一夜明けても悲しみは薄らぐはずがなかった。
 「どうしたらええか分からない。本当にどうしたら…。それが本音よ。(ショックは)強い。戦力がどうこうじゃない。亡くなっているわけやから」。うつろな目の岡田監督が重い口を開いた。
 指揮官はじめ首脳陣、田口らナインはユニホームの右袖に喪章をつけ、硬い表情で球場入り。無言を貫き、小瀬選手と仲の良かった大引や山崎は大粒の涙をこぼしていた。同じ宮古島でキャンプを張る2軍ナインも集合。西名オーナー代行も急きょ駆けつけ、練習前にスコアボード上で半旗にされた球団旗に向かって、黙とうをささげた。
 午前10時半に始まった練習は重苦しいムードに包まれた。普段は球場に響くBGMも聞こえない。選手たちの掛け声も聞こえない。ただ、時間だけが過ぎた。外国人のカブレラは帽子に小瀬選手の背番号「41」をマジックで書いてチームメートの早過ぎる死を悼んだ。選手たちの精神状態を配慮して午後1時で終了。夜間練習も中止にした。
 「どこかで切り替えて新たな気持ちでキャンプをもう1回スタートを切らないとアカン」。岡田監督は自らに言い聞かせるように話した。7日の練習も同じように時間を短縮。予定していた野球教室などのイベントも中止にした。第3クールに予定されていた紅白戦開催も未定。3月20日の開幕まで42日。誰もが現実を受け止められないでいる。

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