高橋由 完全復活へ一塁手でキビキビ投内連係

[ 2010年2月5日 06:00 ]

慣れない投内連携の一塁守備でも軽快な動きを見せる高橋由

 昨年9月に腰の手術を受けた巨人・高橋由伸外野手(34)の動きがいい。4日、宮崎キャンプ第1クール最終日では、一塁手として投内連係に参加。機敏な動きで適応力の高さを見せた。昨季は持病の腰痛に悩まされて、1軍でわずか1打席の出場に終わった生え抜き最年長野手。13年目の完全復活へ向けて、順調な滑り出しを見せている。

 08年に持病の腰痛が再発。昨年キャンプはリハビリ組で、状態も上向かずプロ12年目で初めて開幕2軍。1軍出場は1打席だけだった。外野の層が厚いチーム事情で、昨季途中から2軍で一塁の練習も行い、2軍戦に出場した。昨年9月に完全復活を目指して患部を手術。1月の沖縄自主トレは根津トレーナーを同行させて再発防止に努めた。この日、高橋由にノックした緒方外野守備走塁コーチも「動きがいい」と賛辞を贈るほど状態は戻ってきている。
 本来は外野手の男が内野手たちを魅了した。巨人・高橋由は原監督の意向で、急きょ一塁の位置に入って投内連係プレーに参加。ベースカバーに入る投手へのトスやバント時の対応も俊敏そのものだ。ノックでも華麗に打球をさばいた高橋由は「とりあえず普通にできた。(主力組のA班の)みんなと一緒にやるのが目標だった。それができた」と笑った。

 順調なキャンプを送る高橋由に、3日の練習では原監督が飛ばしすぎを防止するため屋外フリー打撃の免除を打診したほどだ。腰への負担を軽減するために、野球用より軽い素材のサッカー用スパイクを使用していることもコンディションがいい一因。「監督からは飛ばしすぎるな、と言われている。自分でブレーキをかけたい」と笑顔で手応えを語った。

 6日の第2クールからは、投手を相手にした本格的なフリー打撃も始まる。「もう少し力を入れて振ってみたい」と高橋由。ライバルが多いチームのレギュラー復帰は簡単ではない。だが、天才打者が復活すればチームの攻撃のバリエーションは増える。プライドを捨て、一歩ずつ1軍への階段を上っていく。

 ◆高橋由腰痛との闘い
 ▼08年10月24日 中日とのCS第2ステージに出場も、腰の状態が悪く低迷し、日本シリーズ出場を断念。
 ▼09年2月1日 リハビリ組のC班でキャンプイン。
 ▼2月13日 キャンプで主力組のA班に合流。
 ▼4月3日 プロ12年目で初の開幕2軍スタート。
 ▼8月3日 原監督が一塁転向を明言。
 ▼同11日 イースタン西武戦(西武ドーム)で169日ぶりの実戦復帰。
 ▼同19日 イースタン、ヤクルト戦(ジャイアンツ球場)でプロ初の一塁出場。
 ▼同28日 阪神戦(甲子園)の9回、代打でシーズン初出場。藤川の前に見逃し三振。
 ▼同29日 腰の手術を決断。
 ▼9月15日 都内の病院で手術。
 ▼10年1月18日 今キャンプでのA班スタートが決定。

続きを表示

2010年2月5日のニュース