暴力団関与事件きっかけ…応援の規制強めたNPB

[ 2010年1月28日 08:47 ]

 球場でのプロ野球応援や運営全般に大きな権限を持つ社団法人「日本野球機構」(NPB)。12球団の代表者らでつくるNPBは近年、「観客の安全かつ平穏な試合観戦の確保」を掲げて暴力団や悪質な応援団への規制を強めてきた。

 私設応援団が陣取る外野席では団員や暴力団によるトラブルが続発。2003年2月、暴力団員が東京ドームの外野自由席40席を占拠し、旅行代理店に転売したとして暴力団組長と巨人の私設応援団長が逮捕され、同10月には甲子園球場長を脅した容疑で、阪神の私設応援団会長で元暴力団組員が逮捕された。
 危機感を持ったNPBは03年末、暴力団等排除宣言を採択。05年に「試合観戦契約約款」で暴力団関係者の球場入場を禁止し、「特別応援許可規程」で私設応援団の応援を許可制にした。
 規程は許可条件として全団員の顔写真提出などを求め、連座制も採用。違反者が1人でも出れば連帯責任で団体の応援活動を禁止し、場合によっては球場への入場禁止措置もできる厳しい内容だ。いずれの措置も理由を通知せず、異議申し立ても認めていない。
 NPBの取り組みで、応援団側にも暴力団関係者を排除し、試合後にゴミ拾いをするなどファンの模範となろうとする意識が芽生え、観戦環境は向上。NPB関係者も「良い環境になり、女性や家族連れが増えた」と話している。

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2010年1月28日のニュース