2時間以内で!雄星、プロでも“時短投法”

[ 2010年1月27日 06:00 ]

初めて捕手を座らせて投球練習をする西武・雄星

 西武のドラフト1位左腕・雄星投手(18=花巻東)が26日、埼玉県所沢市の西武第2球場で行われた新人合同自主トレでブルペン入りし、初めて捕手を座らせて25球の投球練習を行った。時間は5分足らずで投げ終えるなど、高校時代同様、プロでもハイテンポな“時短投法”を継続することを宣言。2時間以内で試合を終わらせる究極の目標を掲げた。

 2度目の3連投となったブルペン。雄星が立ち投げで28球を投げ終えると、田原ブルペン捕手が腰を落とした。初の本格投球は、フォームのバランスを意識しながら25球で終了した。
 「バランスが良かったので(捕手を)座らせてみようかなと。どうせなら早い方がいいと思ったので。肩、ひじが張っていたので2、3割ですね。まとまったフォームで投げられました」
 時間は約5分。捕手からの返球を受け取ると、すぐに投球動作に入った。そこには雄星のこだわりが詰まっていた。「1球1球止めると、雑念を考えてしまう。自分のためにもなるし、野手の方もテンポが遅いと守りづらいと思う。ファンも長い試合だと飽きてしまうので、高校野球のように1時間30分から2時間ゲームを目指したい」と真剣な表情で語った。
 短い投球間隔で投げていた花巻東時代、甲子園で完投した7試合の内、5試合が1時間台だった。昨年パ・リーグの1試合平均時間は3時間15分。2時間を切った試合はなかった。「“ここはどうしよう”とかは捕手に任せて、自分は変なことは考えずに打者だけに集中したい」。もちろん、高校時代とは相手打者のレベルは格段に違うが、プロでも野手や観戦するファンのためにリズムを心掛け、高校野球並みの試合時間に収めるのが理想の投球だ。
 テンポ同様、投球フォームも高校時代を基本とする。15日の初ブルペンでは右足を上げた際に一度制止していたが、この日は止めることなく、一連の動作で投げ続けた。「担当の水沢スカウトと相談して、一番調子のいい時のフォームに戻してみようということになりました。徐々にこっちの方がいいと思いました」と、昨年センバツで2安打完封した鵡川戦を参考にフォームを固める。
 立ち投げと合わせ、今年最多の53球。「いい形で宮崎に行けると思います」と手応えを口にした。2時間以内ゲーム達成へ、雄星が休む間もなく時短投法を続ける。

 <昨季パ最短は2時間13分>昨年試合時間が2時間を切ったのは10月10日の広島-巨人戦(マツダ=1時間52分)だけ。大竹(広)が94球、ゴンザレス(巨)が99球で両先発がともに完投した。パの最短は7月10日の日本ハム-ロッテ戦(札幌ドーム)で2時間13分。1時間台となると96年3月31日のオリックス-日本ハム戦(神戸=1時間50分)が最後。西武絡みでは95年6月11日のロッテ戦(西武=1時間58分)以来記録していない。

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2010年1月27日のニュース