巨人2軍投手コーチに河本氏が就任

[ 2010年1月26日 06:00 ]

巨人の2軍投手コーチに就任する河本育之氏

 巨人の2軍投手コーチに、昨季まで打撃投手を務めていた河本育之氏(42)が就任することが25日、分かった。今月中に正式発表される。ロッテ時代にセーブ王になるなど通算500試合に登板した河本氏の就任は、常勝軍団に向けて左投手の育成を強化するのが狙い。2月の宮崎春季キャンプでは伸び盛りの若手左腕を中心に指導にあたる予定だ。

 キャンプインを目前に、巨人が河本氏を2軍投手コーチに迎えることになった。巨人は打撃投手を務めていた同氏を昨年9月に97年から友好協定を結んでいる韓国・三星に投手コーチとして派遣。その後、11月に宮崎で行われたフェニックスリーグでもコーチ研修として帯同させてきた。その結果、指導者としての優れた適性があると判断。2軍投手コーチに登用することを決めた。

 今回の就任の背景には、チーム事情も関係している。現時点で投手コーチは1軍の斎藤、香田、2軍の小谷、木村龍の4人がすべて右投げ。昨年に続いて今春の宮崎キャンプでも球団OBで左投げの川口氏を臨時コーチとして招く予定だが、シーズンを通して指導することはできない。河本氏がコーチとして加入することで、辻内、古川ら伸び盛りの若手はもちろん、内海、山口ら主力選手にも左腕ならではのアドバイスを送ることが可能となる。また、リーグ4連覇を目指す中で、昨季は球団記録となる73試合に中継ぎとして登板を果たした山口が今季から先発に転向。原監督も「(山口の抜けたあとの)左のリリーフが重要になってくる」と話しており、“ポスト山口”の育成という点でも河本氏の手腕にかかる期待は大きい。

 現役時代の実績も申し分ない。91年ドラフト2位でロッテに入団すると、1年目から主力として活躍。気迫あふれる投球スタイルで、パ・リーグを代表するストッパーとして一時代を築いた。07年の現役引退までに巨人、日本ハム、楽天と計4球団を渡り歩きマウンド経験も豊富。その明るい性格と後輩の面倒見もよいことから各チームで周囲から慕われてきた。球団は人柄の面でも高く評価。“兄貴分”として若手からベテランまでの相談役になれる存在として期待を寄せている。

 ここ数年で野手では坂本、松本、投手では越智、山口ら若手が主力選手に成長している巨人。河本打撃投手が加われば、1、2軍、育成コーチを含めて首脳陣は28人の大所帯となり“育成の巨人”はさらに強固なものとなる。

 ◆河本 育之(かわもと・やすゆき)1967年(昭42)10月21日、山口県生まれの42歳。田布施工から新日鉄光を経て、91年ドラフト2位でロッテに入団。1年目の92年から中継ぎとして40試合に登板するなど活躍し、97年には25セーブでタイトル獲得。00年に巨人、04年に日本ハム、05年には楽天でプレーし、07年に現役引退。通算500試合登板で36勝43敗95セーブ、防御率3・57。左投げ左打ち。

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2010年1月26日のニュース