金田さん以上だ!ミスター熱望「雄星見たい」

[ 2010年1月24日 06:00 ]

長嶋氏は打撃を行う野球少年にアドバイス

 雄星を見たい!「長嶋茂雄ドリームプロジェクト2010」が23日、全国から小学生574人を集めて千葉市の幕張メッセで行われ、アテネ五輪監督の長嶋茂雄氏(73=巨人終身名誉監督)が参加。脳梗塞(こうそく)から復帰を目指しているミスターは精力的に動き回って子供たちと触れ合い、今春キャンプで西武のドラフト1位左腕・雄星投手(18=花巻東)の視察を熱望した。

 じかに伝わってきた熱気にミスターも刺激されたのだろう。2時間半を超えたイベントを最後まで見守った帰り際。「子供から元気をもらった」という顔を上気させ、話題が今春のキャンプ視察に及ぶと、こう語った。
 「菊池クン、時間があれば見てみたい。いいピッチングするからね。テレビで(昨年の甲子園を)見てましたよ。期待されているでしょう」
 キャンプで一番の話題をさらうのは間違いない黄金ルーキー。ミスターももちろん注目をしている。それもドラフトのずっと前、準優勝したセンバツから雄星の投球に着目。スカウトから昨年8月に名誉監督付きとなった所憲佐専属広報に、スカウトとして見てきた感想をしきりに尋ねたという。だから実際にその目で見てみたい。西武関係者からも「菊池を見に来られませんか」と“誘い”も来てるという。
 興味を持っているだけではない。センバツからの投球をじっくりと分析。過去の新人左腕としては最高の評価を下している。関係者には「金田さん以上の投手になれる」と語ったという。引き合いに出したのは、日本プロ野球唯一の400勝投手、金田正一氏。1958年、ルーキーだったミスターは開幕戦で金田氏(当時は国鉄)と対戦し、4打席4三振を喫した。柔らかくて強い腕の振りと、鋭く切れる変化球。同じ左腕の18歳は、そんな往年の大投手をほうふつさせるどころか、超える可能性まで秘めていると言うのだ。
 04年3月に倒れて以降は、懸命のリハビリで驚異的な回復を見せているミスター。医師からの渡航許可を得て、07年に3年ぶりに宮崎を訪れてからキャンプ視察は恒例となっている。今年も自身の誕生日の2月20日か21日を予定。訪れるのは巨人キャンプで「大田と長野。やはりそういうところを見たいね」と話したが、宮崎なら南郷の西武キャンプまで足を伸ばすことはできる。長男・一茂氏(43)は視察は日帰りになるとした上で「時間的には厳しいと思うけど、父が見たいと言うのなら」と言及した。
 「うーん、どうでしょうか。時間がなあ」
 そう言って笑ったミスターは、もうすぐ訪れる球春が待ち遠しくて仕方がない様子だった。

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2010年1月24日のニュース