喜界島出身!自衛隊狙った「野性児」美沢がレオ戦士に

[ 2010年1月15日 14:49 ]

合同自主トレでキャッチボールをする西武ドラフト2位の美沢将

 浅黒い肌にくりっとした大きな瞳が光る。西武にドラフト2位で入団した美沢将内野手(第一工大)は、鹿児島市の南380キロにある奄美群島の一つ、喜界島の出身だ。

 昨年のドラフト会議当日、町役場の行政無線で「美沢指名」は8000人の島民に速報された。2人目のプロ野球選手の誕生は、小さな島の大ニュースとなった。年末、島を挙げての激励会で送り出された美沢は「日本を代表する選手になって、島に恩返しをしたい」と目を輝かせる。
 小学校まではサッカー少年だった。中学に部がなかったために野球部入り。松井稼(アストロズ)にあこがれて、遊撃手になった。喜界高から無名の球歴をたどるが、「野性児」と評される身体能力がプロの目を驚かせた。
 遠投は120メートルで、球速147キロを記録。50メートル走は5秒8を誇る俊足の大型内野手だ。奥薗編成部部長は「高校時は川崎(ソフトバンク)にそっくりだった。体のバネがすごい」と評す。少年時代、祖父のサトウキビ畑の収穫を手伝い、中腰で刈り続けた過酷な作業が強靱な足腰の原点。体力に自信があり、高校卒業後は自衛隊入りを目指した。能力を惜しんだ周囲の説得で野球を続けた逸話がある。
 「目標は1軍定着。三拍子そろったプレーを見せたい」と美沢。松井稼や中島の背中を追って、21歳の「島人」がはつらつと駆ける。

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2010年1月15日のニュース