松井秀 外野手復帰へ極秘始動

[ 2009年12月8日 06:00 ]

米国内で電撃始動した松井秀喜

 ヤンキースからFAとなった松井秀喜外野手(35)が極秘裏にニューヨークを離れ、6日(日本時間7日)に米国内で電撃始動。その様子をスポニチ本紙が独占キャッチした。来季の外野守備復帰に向けて異例の年内始動。同地では外野ノックを受けることを最終目標に約2週間のミニキャンプを敢行する。この日はキャッチボールなど約2時間みっちり汗を流し、来季の所属先が決まらない中で2010年への第一歩を踏み出した。

 温暖な地を求め、初雪の舞うニューヨークを後にした松井が、異例のミニキャンプをスタートさせた。ワールドシリーズ終了から丸1カ月。充電期間中にため込んだ力を発散するかのように動き、芝生の上で気持ちよさそうに汗をぬぐった。
 「やっぱり気持ちいいね。リハビリしていたここ数年を除いても、この時期に(屋)外で動いたことはないです」
 軽めのランニングで体をほぐし、下半身中心の補強運動をじっくり行った。片足立ちで何度も体をひねり、両ひざの感触を確かめた。軽いダッシュも交え、締めはキャッチボール。今季試合では1度も使わなかったグラブをはめ、足に体重を乗せて伸びのある球を投げ込んだ。
 早期始動の目的は1つしかない。外野手復帰――。「打球を受けられたら一番いいけどね。軽いランニングから始めて、段階を踏んでいかないと無理ですから」と外野ノックを今キャンプの最終目標に掲げた。当初は中南米などで行われるウインターリーグ参戦も計画していたが「守備を試したかったけど、リスクも高いかな、と。ノックでも確かめられるから」と断念し、今回に備えてきた。11月30日に受けたメディカルチェックでGOサインが出たことで、ニューヨークを離れての極秘トレに踏み切った。
 ヤ軍のキャッシュマンGMは松井の守備復帰に対し「ノーチャンス」と断言し、来季もDH専任と強調した。これに対し松井は「守備はできると信じている。このオフ次第ですね」と話す。ウインターミーティングには代理人から声が掛かれば出向く用意はあるが、基本的には今後約2週間のミニキャンプで外野復帰への準備を進める。
 「ワールドシリーズの余韻なんてもうないですよ、全く。もう来年のことしか考えていませんから」。ピンストライプの伝統も、MVPの栄光も頭から捨て去った。来季の所属先はまだ決まらないが、「外野手」という明確なかつての居場所を目指して、松井が走り始めた。

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2009年12月8日のニュース