まだ終われない!日産、奇跡の逆転サヨナラ

[ 2009年11月18日 06:00 ]

サヨナラ勝利に喜びを爆発させる日産ナイン

 スポニチ後援第36回社会人野球日本選手権第6日は17日、京セラドームで行われた。第1試合では今季限りで休部が決まっている日産自動車が、大会史上初の3連覇を狙ったトヨタ自動車相手に9回逆転サヨナラ勝ち。最後となる公式戦で2回戦進出を決めた。

【試合結果


 まさに執念。日産自動車野球部50年の歴史を、簡単に終わらせるわけにはいかなかった。9回2死から敵失、暴投などで奇跡の逆転サヨナラ勝ち。久保監督は「感動で言葉にならない。執念だ」と声を震わせた。
 9回1死から37歳、村上が投手強襲で一塁にヘッドスライディング。内野安打をもぎ取った。2死二塁から須田の打球は力ない二塁正面のゴロ。万事休すと思われたが失策を誘って一、三塁となり続く代打・南への初球が暴投で同点。その南が2球目を中前にはじき返して劇的勝利を呼び込んだ。今夏都市対抗準決勝は0―1で敗れたトヨタ自動車相手の劇勝。同業他社のライバルにきっちりリベンジを果たした。
 本社の業績改善策で2月に今季限りの休部が決定した。複雑な思いで1年間プレーしてきた部員にとって今大会が最後の公式戦となる。26人の部員は約半数が引退して、社業に専念する。その1人、南は「考えているのは日産野球部で1日でも長く、ということだけ」。例年は各部署単位でささやかに開かれる壮行会が、今大会前は横浜・みなとみらいの新社屋に500人を集めて盛大に行われた。大きな期待にどうしても応えたかった。
 「最後までみんながあきらめなかった。うれしくて涙が出る」と吉浦主将。あと4試合。日産自動車は最後の瞬間まで走り続ける。

 <存続訴え署名活動も>前日の16日には、日産自動車本社に野球部の存続を訴える2万5000人分の署名が届けられた。関係者は「きのう提出しました」と説明。署名運動の中心は昨年12月、同社ナインがひったくり犯をつかまえたニュースに感銘を受けた横浜市立橘中の教員たち。神奈川県野球協会も賛同して活動の輪が広がった。大規模な署名運動が将来的な復活につながるのか、今後に注目が集まる。

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2009年11月18日のニュース