首脳陣「6戦で負けてよかったかも」…ダル骨折してた

[ 2009年11月11日 06:00 ]

第2戦に先発した日本ハム・ダルビッシュ

 日本ハムはダルビッシュ有投手(23)が右手人さし指の途中の2つの関節の間にある中節骨を疲労骨折していたと発表した。9日にトレーナーに痛みを訴えたため、札幌市内の病院で精密検査を受けて判明した。来季への影響はない見込みだが、同投手は1日、巨人との日本シリーズ第2戦(札幌ドーム)に登板して勝利投手となっている。この時点で骨折していた可能性も高く、あらためて“鉄腕”ぶりが証明された。

 こらえきれない痛みは骨折が原因だった。ダルビッシュは、極秘で進めていた日本シリーズでの電撃復活に備えて10月28日にブルペン投球を行った。その際から右手人さし指に違和感はあったが、球団には報告せず42日ぶりの実戦マウンドとなる日本シリーズ第2戦では巨人相手に6回2失点で勝利投手になった。その後も何事もなかったように振る舞っていたが9日になって患部が内出血。腫れも出たため、球団トレーナーに相談。札幌市内の病院で緊急精密検査を受けた結果「右手人さし指中節骨近位部の疲労骨折」と診断された。
 今回は万全でない状態の復帰に備えて投球フォームを緊急改造。球団関係者は「(左でん部痛で)下半身を使わず、手先で投げようとしたことで(指に)負荷が掛かっていたと思われる」と説明した。骨折は微小で骨の転位(ズレ)はなく2~3週間の固定加療が必要とされたが、来季開幕に影響はないとした。とはいえ、投手にとってボールに強烈な回転を与えながらリリースする指は生命線。同シリーズでは3勝3敗までもつれれば第7戦で先発予定だっただけに、ある首脳陣は「6戦で負けてよかったかもしれない。もし骨がズレたりしていれば投手として大変なことになっていた」と顔を青くした。
 診断から一夜明けたダルビッシュはこの日、北海道から東京へと移動。今後しばらくは静養に充てることになる。周囲の心配をよそに涼しい顔でいるエースが、さらに鉄人ぶりを際立たせていた。

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2009年11月11日のニュース