立正大初V!創部61年で悲願達成

[ 2009年10月29日 06:00 ]

<青学大・立正大>秋季リーグ優勝を決め、マウンド付近で喜びを爆発させる立正大ナイン

 立正大が創部61年目で悲願の初優勝を飾った。東都大学野球秋季リーグは28日、神宮球場で雨の影響で未消化だった第5週の2回戦2試合を行い、立正大は6回に中嶋辰也内野手(2年)が左越え2ランを放つなど打線が4点を奪えば、投げては先発の小石博孝投手(4年)がリーグ戦初完封で優勝に花を添えた。就任16年目の伊藤由起夫監督(55)にとっても悲願達成。立正大は11月14日に開幕する明治神宮大会に出場する。

【日程と結果


 【立正大4-0青学大】こんな光景が見たかった。試合終了の瞬間、スタンドから七色の紙テープが舞い、一般学生が手を取り合って喜ぶ。他校の優勝シーンを見続けてきた立正大が、創部61年目にしてついに自らの手で快挙を成し遂げた。

 「苦節61年ですか。春に入れ替え戦を経験したことが選手を成長させたんだと思います。胴上げ?格別ですね」。就任16年目の伊藤監督は感慨深げに口を開いた。

 6回に2番・中嶋が左越えに先制2ラン。「直球に絞ってました。春に打てなかったので、みんなで打撃に力を入れてきたのが実りました」。1メートル74の左打者、伏兵が放った逆方向への一発。このパワーこそが今季の強さの秘けつだった。立正大OBの小山啓太トレーナー(32)が今年から就任。米国のブレーブスやロイヤルズでトレーナー経験を持つ同氏は、野手陣に週4回のウエートトレーニングを強制的に課した。結果、飛距離が飛躍的に向上。今春わずか1本だった本塁打が今季は8本と急増して他大学のエース級を打ち砕いた。

 大学側の強化策も実った。07年に総工費2億円で埼玉・熊谷市内のグラウンドに人工芝を敷き、ブルペンも増設した。高校時代に名が通っていた選手は少ない。この日のスタメンで甲子園出場経験者もわずかに2人。だが、地道なトレーニングと大学の全面バックアップで戦国東都で対抗できる力を付けてきた。今春最下位から一気の頂点。伊藤監督は「これが2、3回続くように」と黄金時代の到来を宣言した。

 ≪“西口2世”南が2冠≫立正大の3年生エース南がMVPと最優秀投手の2冠を獲得した。この日は登板しなかったが高校も同じ県和歌山商出身の“西口2世”は「春は力で押して球が浮くことがありましたけど、秋は試合中に修正できるようになりました」と笑顔で振り返った。フル回転した今春の疲れが抜けず序盤は出遅れた。それでも伊藤監督は無理させず小石、菅井、大村らの投手陣をやりくりした。復調した南は、終盤の首位決戦となった国学院大戦で2勝。「あれが大きかった」と指揮官はエースをねぎらった。

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2009年10月29日のニュース