松井秀「守備っていい」敵地に備え守備練習

[ 2009年10月29日 06:00 ]

久々に守備練習を行う松井秀喜

 あるぞ、外野手ゴジラ復活!ヤンキースの松井秀喜外野手(35)が28日(日本時間29日)開幕のワールドシリーズで、敵地で行われる3~5戦で外野守備に就く可能性が急浮上した。前日練習では、今季初めて本格的な外野守備練習を敢行。ジラルディ監督もDHのない敵地での戦いで、松井秀が外野守備に就く可能性を明言した。

【ヤンキーススタジャン


 目を丸くした。打撃練習中の松井は、歩み寄るジラルディ監督から思いもよらない言葉を掛けられた。「外野の守備練習をしてくれ」。松井は打撃を終えるとすぐにバットを置き、新品同様のグラブをはめると少年のような笑顔で小雨の中を右翼へ駆け出した。今春キャンプも含めて、今季初めて指揮官から出た守備へのGOサイン。軽快に約20分間ノックを受け、打撃練習の打球を何度もフェンス際まで追った。

 「監督から練習するよう言われました。下が濡れてたので少し怖かったけど、やっぱり守備っていいね」。決戦直前に差し込んだ希望の光。松井は気持ちよさそうに汗をぬぐった。練習前の会見では「ア・リーグの試合と違って代打でも出る確率は高い。基本的にあるものと思って常に待つ」として敵地での試合でも守備に就くことはあきらめきっていた。

 一方ジラルディ監督は「守備に就く可能性はある。彼のひざを2、3カ月ではなく、あと10日持たせればいいんだから」と解説。敵地では中盤に代打で起用。以降も打席が回る可能性があればそのまま守備に就かせて打線に残すというものだ。今ポストシーズンは右翼のスウィシャーが打率・125と大不振。本職の左翼も含めて、両翼で松井起用の可能性がある。

 今季出場151試合で守備に就いていない。両ひざの爆弾は、いつ悲鳴を上げてもおかしくない。それでも指揮官はその勝負強さに託すつもりだ。昨年6月15日以来、1年4カ月以上遠ざかる実戦守備にこの大一番で就くことができれば、今オフの契約交渉にも大きくプラスに働く。「体調面は大丈夫。最高の舞台だし、自分の一番いい力を出せるようにやるだけ」。攻走、そして守と。松井が全身全霊を懸ける大舞台がいよいよ始まる。

 ≪オールスター並マスコミ対応≫大リーグ機構は開幕前日会見を初めてクラブハウスではなく、吹き抜けの一塁側コンコース広場に選手を呼び出して行った。個々に名前を記したブースを用意して約45分間応対。「6年前はこんなのなかった。オールスターみたいだね」と松井。映画「星の王子ニューヨークへ行く」などで有名な俳優アーセニオ・ホールら多数の米メディアから取材を受けた。関係者は「選手を追いかけたりせず、じっくり話を聞けるように配慮した。今後も続ける」と話した。

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2009年10月29日のニュース