ひちょり祭りだ!大舞台で復活の4安打

[ 2009年10月25日 06:00 ]

<日・楽>日本シリーズ出場権を獲得し、声援に手を振って応える森本(右端)ら日本ハムナイン

 【日本ハム9―4楽天】CSの大舞台で一番目立ったのは、背番号1だった。2回の2ランを含む4安打と大暴れした森本は、梨田監督に続き、お立ち台に上がった。「凄く苦しいシリーズ、つらい4日間だった。良かった」。グラウンド上ではいつも陽気に振る舞うムードメーカーは、重圧から解放され、ホッとため息をついた。

 初回は遊撃内野安打で出塁しスレッジの犠飛で先制のホームを踏む。2回2死三塁では藤原の直球を左翼席最前列に運んだ。今季も本塁打はわずか1本、札幌ドームでのアーチとなれば、07年5月5日のオリックス戦以来2年ぶり。「僕のホームランはいつもギリギリなんで」と全力疾走でダイヤモンドを1周した。
 前日の第3戦は3回1死一、三塁の好機で空振り三振。結果的に楽天・田中を立ち直らせてしまい、「僕のせいで負けた」と話した森本。それでも「きのうは悔しい思いをしたけど、逆にぐっすり眠れた」とすぐに頭を切り替えて、4安打につなげた。
 笑顔の裏で今季はつらい経験をした。糸井の台頭で中堅の定位置を奪われ、開幕スタメンを外れた。それでもシーズン序盤は控え左翼手として脇役に徹した。清水外野守備コーチは「糸井を中堅で起用したことが監督のファインプレーなら、左翼転向を素直に受け入れたのも(森本)稀哲のファインプレー」と評した。7月には左手甲に死球を受けて骨折。約1カ月間の2軍生活を送った。それでも「レギュラーシーズンのことは忘れて、勝負どころで力を発揮できればいい」とリハビリに専念した。今シリーズは打率・467と有言実行。梨田監督も「短期決戦で乗りやすいヤツ。チームも乗りやすくなった」と拍手を送った。
 現役時代も含め、日本一の経験のない梨田監督は「日本一は自分自身の夢であり、チームの目標」と言い切った。12球団で唯一、日本一を達成しないまま消滅した近鉄の最後の指揮官として、日本ハムファンだけでなく、全国にまだ残る近鉄ファンの夢もかなえる。

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2009年10月25日のニュース