花巻東・菊池 注目の進路は「日本」

[ 2009年10月25日 11:05 ]

記者会見で、日本の球団入りの希望を表明する花巻東高校の菊池雄星投手

菊池、まずは日本一の投手になって世界へ

「喜ばしい」「ありがたい」…“大歓迎”の日本球団

メジャー球団は菊池の決断にがっくり?

 選択は「国内」―。全国の高校野球ファンを沸かせ、日米のプロ球団が獲得を争っていた岩手・花巻東高の左腕、菊池雄星投手(18)が25日、花巻市内の同校で記者会見し「日本でプレーさせていただきたいと思います」と意思表明した。29日に開かれるドラフト会議では複数球団からの1位指名は確実で、今後はどの球団が交渉権を引き当てるかに焦点は移る。
 制服姿の菊池投手は「日本ですべてを出し尽くす覚悟です」と、決意に満ちた表情で話した。集まった報道陣は約80人。問い掛けには終始しっかりとした口調で答えていたが、会見終了時には感極まったのか涙がほおを伝った。父の雄治さん(49)は「(涙は)分かるような気がする。胸がいっぱいだったんだろう」と気遣った。
 菊池投手が全国に“デビュー”したのは一昨年夏の甲子園大会。雰囲気にのまれた16歳は初戦で散った。それから約1年半。今春の選抜大会で、成長した姿を披露する。剛球左腕は順当に勝ち上がり、岩手勢では春夏通じて初めて決勝に進出。紫紺の大旗を持ち帰ることはできなかったが、その活躍は地元を熱狂の渦に包み、夏は岩手勢90年ぶりの4強へと導いた。
 地元出身の作家宮沢賢治が通ったというそば店の笹川博之さん(53)は「この夏は店内でも宮沢賢治より(花巻)東高の話題で持ちきりだった。どこへ進んでも花巻の人たちは応援している」とプロ入り後の活躍を期待していた。

 ▼菊池雄星の話 日本でプレーさせていただきたい。高校の時も日本一を目指して、あと一歩届かなかったので、もう一度日本一を狙いたい。まだまだ自分のレベルでは世界で通用しないと思った。もし(ドラフト会議で)指名されれば、その球団で全力を尽くしたい。

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2009年10月25日のニュース